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2008.07.16

厚労省調査結果にみる派遣・請負労働者の実態 (請負シリーズ18)

◆回答者の約7割は20歳~30歳代
 厚生労働省が実施した「労働力需給制度についてのアンケート調査(平成17年実施)」※1)における(1)「派遣労働者調査」及び(2)「請負労働者調査(製造業関係)」の集計結果について比較したいと思います。調査回答者属性について、(1)派遣労働者の性別割合は男性:42.3%、女性:57.5%で、年齢別では30代:39.9%、20代:27.1%の順で多く、両世代合計で67.0%を占めています。他方、(2)請負労働者の性別割合は男性:69.9%、女性:29.8%で、20代:35.4%、30代:34.3%の順で多く、両世代合計で69.7%を占めています。
◆「正社員として働く就職先がみつからない」は派遣・請負共に約3割
 派遣労働者(登録型)が労働者派遣という働き方を選択した理由は、「働きたい仕事内容を選べる(40.2%)」が一番多く、「正社員として働きたいが就職先がみつからなかった(33.2%)」と続きます。他方、請負労働者の働き方を選択した理由は「仕事がすぐにみつかる(38.5%)」が一番多く、「正社員として働きたい就職先がみつからなかった(30.7%)」と続き、この結果から明らかなように、第2順位は、派遣労働者及び請負労働者共に「正社員として働きたいが就職先がみつからない」という理由で、仕事を選択する自由度はあるものの、現実の悩みは大きいものと推察します。
◆「将来の見通しがたたない」は両者とも第1デメリット
 メリットとして一番多いのは、派遣労働者は「仕事の範囲や責任が明確(33.1%)」で、請負労働者は「仕事はすぐにみつかる(32.7%)」でした。他方、各々のデメリットは、派遣労働者は「将来の見通しがたたない(39.9%)」、「雇用が不安定である(37.7%)」であるのに対し、請負労働者は「将来の見通しがたたない(39.7%)」、「収入が不安定である(31.4%)」と、デメリットのトップは両者いずれも「将来の見通しがたたない」が各々約4割を占めており、将来に対する不安を抱いているのが如実にわかります。
◆派遣労働者賃金は請負労働者を上回る
 派遣労働者の賃金形態を占率でみると「時間給:50.3%、月給:35.0%」で、他方、請負労働者の賃金形態は「時間給:64.3%、月給:21.5%、日給:12.5%」で、いずれも過半数以上が時間給です。賃金額は、派遣労働者が「平均時間給(時間給者の場合):1,230円、平均日額:10,284円、平均月額:20.6万円、平均年収:291.7万円」であるのに対し、請負労働者は「平均時間給(時間給者の場合):1,019円、平均日額:9,232円、平均月額:20.5万円、平均年収:259.8万円」となっており、派遣労働者の賃金は請負労働者の賃金を上回っています。
◆「正社員として働きたい」という派遣労働者は約3割未満
 派遣労働者が今後希望する働き方は、「できるだけ早い時期に正社員として働きたい(27.3%)」、「今後も派遣労働者として続けたい(27.2%)」、「いろいろな働き方をしたい(15.6%)」と続きます。前掲アンケート結果の「正社員として働きたいが就職先がみつからなかった(33.2%)」と、正社員を志望する派遣労働者が存在する一方、自由な働き方を望んでいる派遣労働者も存在しているという実態です。
※1)回答数は、派遣労働者:2,908人、製造請負に係る労働者:554人。
参考:「労働力需給制度についてのアンケート調査集計結果(平成17年実施)」厚生労働省公表資料。