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2010.06.10

【緊急提言】菅新内閣に願う “雇用確保税”創設で雇用喪失防止策を!

◆税収減少要因は“雇用喪失”

 この度誕生した菅新内閣のもとで「税制の抜本的見直し」着手が示唆されていますが、税収が減少している基本的要因は、製造業の国内空洞化による「雇用の喪失」にあります。有力国内企業の生産拠点海外移転による「雇用の喪失」が雇用需給バランスを崩壊させ、“賃金の低下、家計収入の減少、消費の減退、景気悪化”の大きな要因になっていることは否めないでしょう。

◆“「雇用確保税」創設”を提言

 「税制見直し」では消費税率アップばかりが議論されていますが、雇用が失われ収入がなくなった人に、生活必需品の値上げで追い打ちをかけるという「消費税率アップ」しか議論されないのは如何なものでしょう。
 そこで『提言』するのが、「雇用確保税」という輸入関税の創設です。これは、現在の輸入関税(大半の品目は無税)に「雇用確保税」を加えた関税を輸入品に対して付加するというもので、「雇用確保税」を目的税として雇用促進助成に当て、“雇用の創出”を図るものです。構図としては、国内生産を諦め、海外に生産拠点を移した企業及び海外企業から雇用促進資金の協力を得て、国内で雇用を守る企業及び失業者の支援を行うという形になります。

◆“自国の雇用は自国で守る”

 少し乱暴ですが、輸入品全てに適用するとして試算すれば、平成21年度の輸入総額が51兆円ですから、仮に税率を20%とした場合、約10兆円が確保できることとなります。平成22年度の厚生労働省の予算が27兆円強ですので、実に4割弱に相当します。たとえ税率10%としても約5兆円です。これを財源に雇用創出施策を行えば、かなりのことができるでしょう。世界の自由貿易経済圏拡大の流れには逆行し、保護関税・不公平税制の批判は出ようかと思いますが、“自国の雇用は自国で守る”のが国の責務ではないでしょうか?

◆企業の海外移転阻止は“雇用喪失防止策”

 過日も“某メーカーの駆動制御機器生産拠点が全面的に中国に移管される”という話を聞きました。今国会に提出されている「労働者派遣法改正」もあって、「日本ではもう物は作れない」という国外脱出企業が続出しつつあります。単に消費税率をアップすれば当然に税収は増えますが、生産拠点の海外移転の動きを阻止することはできません。是非とも国民の為、与野党を問わず、「生産拠点国外移転に伴う雇用喪失防止策」に本気で取り組んでいただきたいと願うばかりです。