2013.07.01
社団法人全国請負化推進協議会の代表理事 派遣業界に対し『月刊人材ビジネス(7月号)』で“派遣料金の5%値上げ(適正化)キャンペーン”を提唱!
【提言】
“派遣料金の5%値上げキャンペーン”を!
2013年の人材派遣業界に求められる“派遣料金の適正化”
野々垣 勝(社団法人全国請負化推進協議会)
◆負のスパイラルに陥っている「人材派遣」
「派遣社員は給与が高くて自由だ!」と謳歌され、これまで人材派遣業界は拡大してきました。しかしながら、現在の人材派遣業界は、ひとくくりに「非正規労働者」と呼ばれ、「派遣社員は安くて不安定」と、“悪の代名詞”と化してしまいました。失業者においても、「派遣社員では働きたくない」との意思表示で“派遣離れ”が表面化してきたのです。その一方では長引いた「デフレ経済」によって、正社員の賃金や賞与も下がってしまいました。
◆待遇改善は「正社員」だけ
ここに来て、アベノミクスの影響で、正社員の昇給は少ないながらも、一時金としての賞与は復活しつつあります。これは“派遣離れ”をさらに加速させてしまうことになるのです。
なぜなら、派遣社員の賃金は、正社員以上に下落したままだからです。その上、賞与がない派遣社員で働きたい人は、激減しています。派遣社員が変動費と呼ばれていたのは過去の話となり、今や、派遣社員の存在自体が、“変動費+コストセンター”と呼ばれているのです。その事由は、正社員の高い賃金が、派遣社員の賃金下落に大きな影響を与えているのが現実です。
◆“アベノミクスのシワ寄せ”は派遣社員に
そこで、この2013年こそ、人材派遣業界には、各業界団体も含め、業界全体で“派遣社員の値上げ”を実施していただきたいのです。これまでのデフレ経済により、正社員以上にそのシワ寄せを受けたのは、「人材派遣業界」であり、「派遣社員」なのです。アベノミクスによる「円安」の影響で、輸出企業は元気回復し、一部の大手企業の昇給や一時金増額が話題になっています。しかしながら、派遣社員は、依然として“低賃金・不安定”な雇用形態のままです。その影響で、人材派遣業界で働きたいという労働者がいないのです。今、まさに“人手不足”の要因がここにあるのです。
◆今、求められるのは“業界の結束”
安値競争を繰り返してきた人材派遣業界は、このタイミングで値上げを敢行し、派遣労働者の賃金に還元できなければ、業界自体が滅びる運命をたどることになるのです。そこで、あらめて人材派遣業界に提唱します。“派遣料金の5%値上げ!”をぜひとも実践し、「人材派遣」そのものを、もう一度“魅力ある働き方”に変えていただきたくことを切望します。人材派遣業界は、派遣社員の賃金アップのために派遣料金の値上げを実施し、もう一度、魅力ある業界にしていただきたいのです。
具体的にまずは「5%の値上げ」を、そして3年間で「10%~20%の値上げ」を実施して、派遣社員の賃上げに繋げていただきたいと思います。業界が生き残るためには、今こそ、人材派遣業界は一致団結し、“派遣料金の値上げ”に果敢に挑むべきと考えます。
◆『月刊 人材ビジネス』
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