2025.12.18

製造業離れに向き合う 人材派遣会社の新しい採用の考え方

　「人が集まりにくい」と言われる製造業ですが、背景には求職者の価値観の変化があります。現在は給与だけでなく、「働きやすさ」や「この先も続けられるか」といった点を重視する人が増えています。
　こうした状況の中で、これからの人材派遣会社に求められる取り組みは、次の3点が重要になります。

1．未経験者を支える教育体制
経験者だけを求め続けるのではなく、未経験者を受け入れ、育てていく仕組みを整えることが重要です。
・基礎研修の実施
　例）工具の使い方や業務の基本を、就業前に丁寧に伝えます。
・安心して始められる環境づくり
　例）「未経験でも問題ない」と伝わる体制が、応募への不安を和らげます。

2．幅広い人が働ける仕事の設計
フルタイム勤務に限らず、さまざまな生活スタイルに合った働き方を用意します。
・短時間勤務の活用
　例）シニア層や主婦（夫）層に向けて、短時間や週数日の仕事を増やします。
・体への負担が少ない業務の提案
　例）検品や梱包など、比較的負担の少ない作業を整理して紹介します。

3．長く働いてもらうためのフォロー
採用後も継続的に関わり、働きやすい状態を保つことが欠かせません。
・定期的な面談
　例）小さな困りごとを早めに把握します。
・職場環境への働きかけ
　例）派遣先と相談しながら、設備や職場の雰囲気の改善を進めます。

【まとめ】
　これからの人材確保では、人数を集めること以上に、「安心して働き続けられる環境を整える」視点が大切になります。派遣会社が現場と人の間に立ち、丁寧な取り組みを積み重ねていくことが、結果として安定した採用に繋がるのです。