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2011.05.28

★“新開発の浄化剤”は「福島第一原発」汚染水処理の救世主として期待

◆「放射能汚染水」流出阻止に懸命

 結局、東京電力株式会社からの事後報告(5/24)で、“福島第一原子力発電所の「第1~第3」の各号機はメルトダウン(炉心溶融)していた”という事実が判明しました。同社が震災直後から「メルトダウン」を想定していたか否かは不明ですが、現在は高濃度の放射性物質を含む「汚染水」の流出を食い止めるのに必至です。

◆アレバ社による「浄化処理装置」稼動は6月に

 東京電力の支援要請に応じて来日した仏原子力大手「アレバ社」は、5月をめどに汚染水処理に着手したいとの意向(4/19)でした。しかし、福島第一原発の「集中廃棄物処理施設」に一時保管されている汚染水が満水になる懸念から移送が停止されこと、また、同原発第3号機ピットからの汚染水流出阻止に取り組んでいる現況等から、汚染水の浄化処理装置(排水システム構築は東芝)の稼動は6月中旬となる模様です。

◆「汚染水処理コスト:2億円/トン」という“ネット誤情報”

 前記の仏アレバ社が言ったとされる“「放射能汚染水処理コスト:2億円/トン」に従い、福島第一原発の汚染水処理に約17兆円もの莫大な費用が必要”という情報が、某衆議院議員の発言と相俟って、ネットに多数流出していました。しかし、一部のネット投稿者は、アレバジャパン株式会社(日本法人)社長のTV報道による見解で当該費用は“汚染処理システム建設の費用であった”ことが判明し、【当該ネット記事の訂正・削除】が告知(5/23日付)されたという経緯です。ネットを介した“クチコミ”の伝播力には、自戒を含め、本当に留意しなければなりません。

◆アレバ社より“20倍速い汚染水処理能力”

 当該原発周辺の高濃度放射能の蔓延で、「圧力容器」内や「使用済核燃料プール」の冷温停止や汚染水流出阻止が遅々としている中、注目されるのが、前掲のアレバ社(ヴェオリア・ウォーター社と共同)の汚染水処理能力(50トン/h)の“20倍相当のスピード(1,000トン/h)で浄化”できる手法が開発されたとの報道です。

◆太田教授らによる“新開発の浄化剤”
 この浄化手法は、生薬学・天然物化学をご専門とされる太田富久教授らの研究チーム(金沢大学)と、浄化剤メーカーの「クマケン工業株式会社(秋田県横手市)」によって開発されました。それは、《水に溶けた放射性のヨウ素やセシウム、ストロンチウムなどを、効率良く捕まえて沈殿させる可能性のある粉末》で、《天然のゼオライトなど数種類の鉱物や化学物質を混ぜて》作られた浄化剤です。詳細は、クマケン工業株式会社のHPで関係情報をご参照ください。太田富久教授らはすでに《大規模処理システムを設計済み》とのことですので、改めて既述の“新開発の浄化剤”が、福島第一原発の汚染水処理の“救世主”となることを大いに期待するばかりです。

【ご参照】
●ブログ記事(11/5/21日付)
 :『放射線量計 メルトダウン 燃料棒 “放射線授業”が始まった』。
【資料】経済産業省原子力安全・保安院公表資料。東京電力株式会社公表資料。国立大学法人金沢大学公表資料。クマケン工業株式会社公表資料。社団法人日本原子力産業協会公表資料。各紙等。