2015.12.12
★2027年開業予定の『リニア中央新幹線』を見据えた大規模再開発事業で「ささしまライブ24地区」は建設工事進行中!
◆名駅前エリアの大規模再開発事業が先行
2016年を目前に控え、名古屋駅前の大規模再開発事業に伴う「新大型オフィスビル」は、いよいよ竣工、グランドオープンの佳境に入ります。その主な「新大型ビル」を、今後の予定も含め、「竣工順」に挙げると、
(1) 『 大名古屋ビルヂング(2015/10/31。地上34F/地下4F、高さ:174.7メートル) 』はじめ、
(2) 『 JPタワー名古屋(2015/11/11。地上40F/地下3F、高さ:195.74メートル) 』、そして、
(3) 『 JRゲートタワー(2017/4月予定。地上46F/地下6F、高さ:220メートル) 』等があり、いずれも所謂「超高層ビル」です。そして、前記(2)の竣工記念日に行われたイルミネーションのイベントに、会社帰りの筆者は足を止めた次第です。
これらのビル群の北側には、ビル東面が全面曲線ガラス形状の『名古屋ルーセントタワー(2007/1/24。地上40F/地下3F、高さ:180メートル)』が、すでに8年前に開業しています。しかし、前掲のビル群が建設中の為、これまで当該ビルは、名古屋駅から一時的に分断された状況に置かれていたのです。冒頭記載の新大型ビルが順次、開業すれば、名駅前及びその北側エリアは、新たな賑わいを醸し出すものと思われます。
◆対抗する名駅南エリアの「ささしまライブ24再開発地区」
前掲の「名駅前エリア」は、再開発事業が先行して報道の脚光を浴びていますが、それに対抗し、現在、粛々と再開発事業の建設工事進行中なのが、名古屋駅から南方へ約1㎞先に位置し、“国際的な交流拠点”を目指している「ささしまライブ24地区(約22.1ha)」です。今回は、「開業済の既存建物」と「現在建築中の建物」の両方を、下記に列記してご紹介します。後掲の【工事中の写真】※4)と併せてご覧いただければ幸いです。
★【ささしまライブ24地区】
(1) ブライダル施設・ホテル等『 THE ART GRACE 』(2015年度開業予定)
(2) ライブホール『 Zepp Nagoya 』(2005/3開業)、シネコン・アミユーズメント等の『 マーケットスクエアささしま 』(前同)
(3) 国際交流・研修施設『 JICA中部国際センター 』(2009/6開業)
(4) オフィス・ホテル(「プリンスホテル(名称未定)」)・コンファレンスセンター(国際会議場)・商業等で構成される『 グローバルゲート(3棟構成。うち、低層棟:地上4F、イーストタワー:地上17F、ウエストタワー:地上36F、高さ:170メートル) 』(2017年秋開業予定)
(5) 『 愛知大学名古屋キャンパス(5学部) 』(2012/4一部開校。第2期別棟は2017/4開講予定)
(6) 地元の民間放送局『 中京テレビ放送(日本テレビ放送網系) 』(本社移転。2016年秋開業予定)
(7) 賃貸住宅等『 ロイヤルパークスERささしま 』(2015/3入居開始)。
◆ターゲットは「リニア開業(2027年)」
これらの大規模再開発事業が焦点を当てている大きな節目は、2027年に先行開業予定(品川~名古屋間の286㎞を最速40分)の『リニア中央新幹線』※2)です。着工認可(2014/10/17)から1年が経過し、いよいよ初の「トンネル工事」着工(12/18)に入る模様です。
このリニア開業を見据え、過日、中部地方で最大の再開発プロジェクトになると謳われている「再開発計画(名古屋鉄道等。対象エリアが南北400メートルに亘るビルの一体化。総事業費:2000億円超。2027年度完成予定)」が報道されましたが、この再開発計画は、これから進展する予定です。また、「ささしまライブ24地区」※1)の名称にある「笹島(交差点)」から“地下通路(通路幅員:約8.5m、通路高さ:約3m、延長:390m、ムービングウォーク2列)を新設置する”という計画があります。これは、《名古屋駅地区からささしま・名駅南地区方面への歩行者のアクセス改善》を図る為、《歩行者空間の整備を進める(名古屋市中村区公表資料)》とされており、名駅南エリアの“アピールポイント”のひとつに挙げられるのではないでしょうか。
◆「特定都市再生緊急整備地域」の一翼を担う
前述のとおり、「JR名古屋駅」を南北に挟む形で進行している大規模再開発事業は、名駅北側のエリアが先行していますが、その根本的視点として、『特定都市再生緊急整備地域(約110ha。2012/1/25日付指定。その後、拡大:約286ha。2013/7/9日付閣議決定)』※3)【当該地域の図面「p.8」ご参照:名古屋市住宅都市局公表資料】
URL http://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/cmsfiles/contents/0000010/10046/gaiyou_H27.7.pdf
の存在を忘れてはならないでしょう。即ち、前掲の両エリアの再開発事業は、「JR名古屋駅」を中心に展開されていますが、地方都市の所謂「駅前再開発」とは異なり、都心の繁華街「栄エリア」と繋がる“一体開発(面開発)”に基づく計画となっているのです。従って、これらの大規模再開発事業は、「リニア中央新幹線」の開業と相俟って、「特定都市再生緊急整備地域」の一翼を担うということです。一市民としては、近未来の名古屋都心の発展に夢は膨らむばかりです。
【ご参照】
※1)●ブログ記事(2014/11/29日付)
:『★“国際的な交流拠点”を目指す「ささしまライブ24(再開発地区)」』
URL http://www.jsbb.jp/st/29224/
※2)●ブログ記事(2014/2/22日付)
:『★名古屋駅前再開発事業&リニア中央新幹線開業で“サスティナブルな街づくり”を期待』
URL http://www.jsbb.jp/st/26506/
※3)●ブログ記事(2015/1/24日付)
:『★「超電導リニアによる中央新幹線に関する事業説明会」に出席して』
URL http://www.jsbb.jp/st/29847/
※4)【「ささしまライブ24地区」の工事現場写真(上記本文1~7の順):2015/12/5pm時点、筆者撮影】(クリックで拡大)
※5)●ブログ記事(2015/1/31日付)
:『★国際的交流拠点(ささしまライブ24地区)に結節する“一般市道「椿町線」とは?”』
URL http://www.jsbb.jp/st/29900/