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2025.12.25

SES業界の成長と多層構造に潜む二重派遣リスク

 IT・DXの拡大に伴いSES(システムエンジニアリングサービス)を活用する企業が増える一方、多重構造による「二重派遣」が法令違反として頻発しています。二重派遣とは、派遣元企業から人材を受け入れた企業が、さらに別企業へその労働者を派遣し、指揮命令関係が多層化した状態を指します。この構造は労働者派遣法および職業安定法により禁止されており、明確な法的根拠があります(職業安定法第44条に基づき、二重派遣は労働者供給事業として禁止される)

■コンプライアンス上の主な問題点

・法令違反リスクの増加
 多層構造を放置すると二重派遣として労働局の立入監査・行政指導・改善命令の対象になり得ます。SES契約や準委任契約による再委託が実質的に派遣とみなされ、派遣法違反として処分例も報告されています

・労働者保護の欠如
 指揮命令系統が複雑化することで、労働条件の責任所在が曖昧になり、賃金・安全衛生管理・権利保護が後回しになる恐れがあります。

・企業の信頼低下と事業リスク
 法令違反が明らかになれば罰則や社名公表、派遣事業許可取り消しに至る可能性があり、企業のブランド価値や取引関係にも深刻な影響を及ぼします。

SES業界でのAI活用やDX推進が進む中でも、法令遵守と労働者保護を徹底するコンプライアンス体制の整備が不可欠です。適正な契約と管理を行い、二重派遣の発生を未然に防ぐガバナンス強化が求められています。

【お問い合わせ】
◆社団法人全国請負化推進協議会
 〒453-0015 愛知県名古屋市中村区椿町17-16 丸元ビル4F
 TEL:052-526-0311 FAX:052-433-3002
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