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2011.04.23

★「浜岡原子力発電所」下の断層が“活断層”に変貌する可能性は皆無なのか

◆「浜岡原発」下に活断層は無い

 過日の当ブログ記事(【ご参照】1)では、中部電力のHPにより、同社「浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)」の建設当時は、事前に《徹底した地質調査をおこない地震の原因となる活断層を避けて》おり、「ボーリング調査」、「試掘坑調査」、「弾性波探査」、「トレンチ調査」等の《調査などにより活断層のないことを確認しています。》と記されているのを確認したと記述しました。

◆「浜岡原発」の隣町に在る“活断層”

 東日本大震災の発生(3/11)以降、「浜岡原発の津波対策」についての議論は続いており、発電機や防波壁の設置等について具体的な対策が練られているところです。ただ、活断層地図(【ご参照】2)で確認した限りでは、確かに「浜岡原発」の存置場所に活断層はありませんが、《「浜岡原発」に隣接する町(白羽:シロワ)に“活断層”が存在しているのを確認できました。その場所は、御前崎港のすぐ西側周辺です。》と記しました。地震発生の不安を扇動するつもりは毛頭無いのですが、この活断層の存在が不気味であり、個人的に心配なのです。

◆余震で活動した“断層”と「活断層」

 というのも、東京電力が地震を起こすことがないと認定していた断層が、東日本大震災後に起きた余震(4月11日17:16)で活動したことが判明したからです。即ち、新耐震指針(06年制定)において、地震を起こすことがないと認定されていたのは「湯ノ岳断層(福島県いわき市)」で、当該断層のすぐ西側に在る「井戸沢断層(活断層認定:東京電力)と共に、活動の足跡が確認されたという現地調査結果速報(独立行政法人土木研究所)があったからです。

◆“活断層”の見直しが必要か

 とりわけ、東日本大震災の発生後は“想定外”が問題視されていますが、“想定外”の線引きをどこに置くかによっては、自ずと“想定外”も常識的な「想定内」になってしまう嫌いも否めません。下記(1)より一部抜粋して再掲すると、《“「浜岡原子力発電所」の敷地内に断層が存在することが確認されている(中部電力)”という事実です》。冒頭記載のとおり、中部電力が活断層を回避したことは理解しましたが、前述のとおり、いわき市では“断層”と「活断層」の両方が活動したという事実がありました。果たして、「浜岡原発」下に在る断層が“活断層”に変貌する可能性は皆無と断言できるのでしょうか。識者や専門機関等による今後の新たな見解に期待するところです。「東海・東南海・南海地震」の同時発生時(想定)に限らず、この甚大であった「東日本大震災」の苦い経験を教訓とし、より一層の“安全・安心”を求めて行くには、活断層の既存情報を見直し、我々日本人が“新たな情報”を共有していくことが肝要と考える次第です。
【ご参照】
(1)ブログ記事(11/4/16日付)
 :『東海・東南海・南海地震の同時発生時に「浜岡原子力発電所」は津波に耐えられるか』。
(2)ブログ記事(11/3/26日付)
 :「書籍ご案内 『日本の活断層地図-中部・近畿・中国・四国・九州活断層地図』」。
【資料】内閣府公表資料。中部電力株式会社公表資料。独立行政法人土木研究所公表資料。防災システム研究所公表資料。