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2011.07.10

「新聞折込みチラシ」配付枚数から見た販売戦略の傾向

◆調査対象月は「6月」に限定

 実は、特別な事由も無く、昨年(2010年)6月に地方紙の『新聞折込みチラシ』配付枚数を個人的に記録(1ヶ月間)・保管していました。敢えて「後付け事由」を述べるなら、4月は事業年度始の為、また5月はとくに連休が多い為に、当該チラシの配付枚数を記録しなかったと言い訳できるかもしれません。そういうファジーな観点から、「6月」は新年度開始後、ようやく落ち着く月ではないかと記録を試みた訳です。そして、昨年6月の記録を活かすべく、今年の6月も自宅に配付された地方紙の「折込みチラシ」枚数を毎朝起床後、記録したという経緯です。「6月単月の前年比較」という限定的な調査内容で誠に恐縮ですが、「新聞折込みチラシ」配付枚数の記録結果から、販売戦略の傾向を垣間見たいと思います。

◆「チラシ配付枚数」の調査結果

(1)1日当たりの配付枚数は「約20枚」
 今年の6月単月の「月間配付枚数合計」は、昨年の「606枚」にほぼ近い「600枚」でした。そして、各々合計の1日平均の配付枚数は「約20枚」となります。
(2)週別では「第4週」が狙い目
 「週別配付枚数合計」の比較では「★第4週(20日前後~25日前後)」が最も多く、昨年の「161枚」に対し、今年は「151枚」と10枚少なかったという結果でした。最少配付枚数の週は、昨年及び今年共に、月末を含めた「▲第5週(昨年:57枚、今年:78枚)」でした。
(3)曜日のピンポイントは「土曜日」
 「曜日別配付枚数合計」の比較では、昨年及び今年共に全く同じ結果で、第1位は「★土曜日(昨年:148枚、今年:132枚)」、第2位は「☆火曜日(昨年:133枚、今年:102枚)」、第3位は「◎金曜日(昨年:82枚、今年:88枚)」の順で、最下位は各年共に「▲月曜日(昨年:42枚、今年:64枚)」でした。その第1位の「土曜日」のみを比較すると、「最多配付枚数の土曜日」は、昨年が「★第2週:39枚」で、今年は「★第1週:36枚」でした。
(4)一番躍進したのは「月曜日」
 昨年より「今年の配付枚数が増加した曜日」は、第1位が「★月曜日(152.3%)」、第2位は「☆木曜日(130.0%)」、第3位は「◎金曜日(107.3%)」、第4位は「○水曜日(101.4%)」の順でした。
(5)1日当たりの配付枚数トップは「火曜日(昨年)」
 「1日当たりの配付枚数が最も多かった」のは、昨年第2週の「6/8(火):★41枚」で、「新聞休刊日(6/7・月)」の翌日だったのは意外でした。そして、今年の最多配付枚数日は第1週の「6/4(土):★36枚」で、昨年とは僅差でした。因みに、今年の「新聞休刊日(6/13・月)」の翌日の配付枚数は、「32枚(単月第3位)」でした。

◆広告主の意図が凝縮された“販促広告”

 当該調査で手間を要したのは、「折込みチラシ」を毎朝1枚ずつ数えて記録するという単純作業でした。「折込みチラシ」のサイズは異なり、しばしば「チラシ広告」の中身に目が止まってしまい、枚数を数え直すこともありました。「折込みチラシ」はあくまで“販売促進広告”ですから、チラシ自体の紙の厚さ・サイズ・色合い・レイアウト等々の工夫を見ると、少しでも消費者の目を惹(ヒ)くようにという広告主の熱意が「1枚」のチラシに凝縮されていると感じました。

◆“決戦の日”は「第1週と第4週の土曜日」

 当該調査結果に基づいて「総括」すると、「総配付枚数」が昨年と今年で「6枚差」しか無かった事由は、その他の月を調査していないので、残念ながら分析不能です。ただ、平月の「1日当たりの配付枚数」は、過去に「50枚/日(年月不明)」という日もありましたが、概ね20枚程度ではないかと推測します。
 そして、配付日は、一般的に給与支給日の多い「★第4週」に焦点が当てられていると捉えました。とりわけ配付枚数の多さから、「★第1週と第4週の土曜日」が“決戦の日”と考えられていることが窺われます。翻って、「最終週の月曜日」は最低かと思いきや、配付枚数実績は「12枚(昨年:6/28)」と「18枚(今年:6/27)」で、意外とフツーの結果でした。そこで、「配付枚数の最少記録日」を確認すると、昨年が第3週の「6/16:▲9枚」、今年は第5週の「6/29:▲8枚」で、奇(ク)しくも各々「水曜日」でした。

◆毎日配付される「パチンコ店」のチラシ
 「新聞折込みチラシ」の中で、ほぼ毎日配付され、枚数も多く目立ったのは、名古屋の土地柄(パチンコ発祥地)のせいか、新装開店や新台入替え等をPRする「パチンコ店」のチラシでした。その他では、主婦が血眼になる生鮮食料品を取り扱う「スーパー」のチラシです。尚、今回の調査では、業種別分類をしていなかったので、詳細比較が不能の点はどうぞご了承ください。

◆インターネットに抜かれた「新聞(総広告費)」
 『2010年 日本の広告費(株式会社電通)』で「日本の総広告費(2010年1~12月)」を見ると、「5兆8,427億円(対前年:98.7%)」でした。その内、「マスコミ4媒体」は「2兆7,749億円(対前年:98.1%)」で、全体の「47.5%」を占めています。また、マスコミ4媒体の総広告費うち、「テレビ(1兆7,321億円:第1位)」に続き「新聞(6,396億円:対前年94.9%)」は第2位で、対マスコミ4媒体の「23.0%」を占めています。但し、「新聞」の総広告費がすべて「折込みチラシ」費用に直結していない点はご考慮願います。そして、「新聞」の総広告費は、すでに「インターネット(7,747億円:対前年109.6%)」に「1,351億円(対インターネット:82.5%)」の差をつけられているのが今日の現状です。それでも、私のようなアナログ人間にとっては、毎日配付される「新聞折込みチラシ」を見るのが楽しみのひとつとなっています。今回の地方紙における「新聞折込みチラシ」調査は、限定的(配付エリア・特定単月等)な面がありましたが、今後の“販売戦略”の片鱗にでもなり得れば、誠に幸甚に思う次第です。