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2010.02.22

『労働者派遣法改正案要綱』の“均衡待遇”で業界壊滅

◆“均衡待遇”は混乱と崩壊の序曲

 昨年末の『答申』※1)を踏襲した『要綱』※2)における所謂“均衡待遇”※3)は、中途半端な意味合いで、その解釈次第では「派遣元」、「派遣先」、「労働者」間で大きな混乱を招く要因となりかねません。と言うのも、“均衡待遇”は“平等”を意味するものではないからです。また、この“均衡待遇”の4文字の解釈のみで捻じ曲げられ、各々の立場の主張が展開されることが予測され、混乱に拍車が掛かるだけだからです。

◆人材派遣業界の崩壊を暗示する“均衡待遇”

 国内の人材派遣市場は、大手企業に集中しており、これまで「人材派遣」を導入してきました。大きな要因としては、“フレキシビリティ”と“ローコスト”の2本立てであることは周知の事実です。その重要な柱である“ローコスト”が“均衡待遇”の4文字で無くなれば、人材派遣業界の存在意義は根底から覆されてしまうのです。そして残るのは、低賃金の中小企業に集中し、目指すところの“格差是正”の意義が無くなることを知らされるのに帰結することを懸念するばかりです。
※1)当ブログ記事(10/2/8日付)
 :『厚生労働省 労政審 労働者派遣制度「答申」について』ご参照。
※2)『「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」の諮問について(厚生労働省発職0217第1号)』平成22年2月17日付。
※3)前記『要綱』の「第十 均衡を考慮した待遇の確保」。