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2015.07.27

「委任(民法第643条)」と「準委任(民法第656条)」の関係について

◆「委任」とは

 まず、「委任」は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生じる(民法第643条)場合がこれに相当します。つまり、「委任」に基づく契約は、法律行為をすることを委託する契約を意味します。また、その法的性質は「諾成・無償・片務契約」ですが、特約による有償委任の場合には、「諾成・有償・双務契約」となります。

◆「準委任」とは

 他方、「準委任」とは、当事者の一方が特定の行為をすることを委託する契約で、民法第656条では、「法律行為でない事務の委託について準用する」と規定されており、仕事や物(ぶつ)の完成は約束されていません。この点は、前述の「委任」と同様、この「準委任」も、受託した“物(ぶつ)の完成(または、業務・仕事の完成)”を求められる「請負」とは一線を画しているのです。
 但し、定められた期間に受任者が法律行為や事務を受託し、当該期間に委任者に報告をすることが原則で、受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う(民法第644条)という点では、「委任」と「準委任」は共通しています。

◆「委任」規定を準用

 前述のとおり、「準委任契約」は「法律行為でない事務の処理を委託する契約」で、例えば、ビルの清掃のような管理を委託する場合等が当ります。これらの点から、法律行為をすることを委託する契約を意味する「委任契約」と区別されていますが、「準委任」は、民法第656条で委任の規定が準用されますので、実際、区別する意味はほとんどないと言えます。