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2014.01.28

添乗員の「みなし労働」について最高裁は上告を棄却しました

◆最高裁が上告棄却

 この度、最高裁(第二小法廷)は、海外旅行添乗員の「みなし労働時間制」の適用可否に係る訴訟について、旅行添乗員派遣会社の上告を棄却(1/24日付)しました。この「みなし労働時間制(労働基準法第38条の2)」については、(1)「事業場外みなし労働時間制」、(2)「専門業務型裁量労働制」、(3)「企画業務型裁量労働制」があります。当該訴訟は、添乗員の残業代支払を求めた訴訟で、(1)の「事業場外で労働する場合で労働時間の算定が困難な場合に、原則として所定労働時間労働したものとみなす制度」の適用可否が争点でした。しかし、最高裁は、旅行日程や業務内容があらかじめ具体的に確定していること、携帯電話を保持させてツアー中も報告を求め、ツアー終了後に業務日報の提出が義務づけられていたこと等から、「みなし労働」の適用を不適としました。

◆「事業場外みなし労働時間制」が適用されない場合

 そもそも、事業場外で業務に従事する場合であっても、使用者の指揮監督が及んでいる場合については、労働時間の算定が可能であるので、みなし労働時間制の適用はできない、とされています。事例は、下記の場合等です。
(1)何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
(2)無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら事業場外で労働している場合
(3)事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後、事業場に戻る場合

【ご参照】

◆「事業場外労働に関するみなし労働時間制」の適正な運用のために(東京労働局・労働基準監督署)
 URL http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/roudou/jikan/pamphlet/2jigyoujyou.pdf