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2010.07.08

★日本共産党マニフェスト “「国民が主人公」の政治へ転換を”

 各政党は「2010参院選マニフェスト(政権公約)」を6月17日に発表しましたが、日本共産党は、1日遅れで『参議院選挙政策』を発表(6/18日付)しました。日本共産党の参院選公約は、《“アメリカ・財界いいなり”から「国民が主人公」の政治へ転換を-そうしてこそ「政治を変えたい」という願いが生かせます》をスローガンに、《雇用、中小企業、農林漁業、社会保障、環境-日本経済を元気にします》の項目で以下のとおり公約(以下、原文抜粋)しています。
◆人間らしい雇用のルールをつくります
 「使い捨て」雇用をなくし、正社員が当たり前の社会にすることは最優先の課題であり、その最大の焦点は、労働者派遣法の抜本改正です。民主党政権が国会に提出した派遣法「改正」案は、「製造業派遣、登録型派遣の原則禁止」を言いながら、「常用型派遣」とか「専門業務」などの名前をつければ「例外」にするという、「抜け穴」だらけの「ザル法」となっています。財界の圧力に屈した結果です。労働者派遣法は、「抜け穴」なしの抜本的改正を求めます。
 時給1000円以上への最低賃金の引き上げによる国民の所得の底上げ、「サービス残業」の根絶と長時間・過密労働の是正、非正規労働者と正社員との均等待遇、就職難の打開、失業者への生活援助、新規雇用創出などの雇用対策をすすめます。
◆各論より「雇用政策」を抜粋
 『日本共産党の政策集』の「Ⅰ-2、安定した雇用、人間らしい労働のルールをつくります」で各論について公約しています。以下に原文を抜粋して掲載しましたのでご参考にしてください。
2、安定した雇用、人間らしい労働のルールをつくります
 安定した雇用と、それを守る労働のルールは、国民の暮らしと健全な社会の基盤であり、長年続いている国民所得の減少に歯止めをかけ、家計と内需主導の経済成長をはかるうえでも最重要の課題です。
(1)非正規から正規への雇用の転換をすすめます
 労働者派遣の原則自由化をはじめ、相次ぐ労働法制の規制緩和によって、非正規雇用が働く人たちの3人に1人、若者と女性では2人に1人にまで広がり、年収200万円にも満たない労働者が1000万人を超えています。OECDの調査では、日本は貧困層の8割以上が働いており、平均の63%を大きく上回る“ワーキングプア大国”になっています。非正規雇用の増大は、働く人たち全体の賃金を抑制し、引き下げる効果ももたらしています。
 国民の暮らしを守るためにも、日本経済の成長を実現するためにも、非正規から正規への雇用の転換を、雇用政策、経済政策の柱として位置づけ推進します。
 その中心になるのが、労働者派遣法の抜本改正です。しかし、政府が先の国会に提出した「改正」案には二つの大きな抜け穴があり、「使い捨て」の働かせ方は現状と何ら変わらないものになっています。
 一つは、「製造業派遣の原則禁止」と言いながら、「常用型派遣」を「例外」にしていることです。派遣会社が「1年を超えて雇用する予定」といえば、2カ月を超える雇用契約を反復させることも「常用型」だというのですから、派遣労働の実態は何ら変わりません。もう一つは、「登録型派遣の原則禁止」と言いながら、「専門業務」を「例外」にしていることです。「専門業務」は政令で定められていますが、パソコンなどの「事務用機器の操作」やビルの受付、駐車場管理など、名ばかりの「専門業務」が多数含まれています。
 日本共産党は、政府案の大穴をふさぎ、「使い捨て」の働かせ方を規制し、派遣労働者から正社員への道を開く、抜本的な改正をすすめる修正案を国会に提出しました。この実現をめざします。
 数カ月〜1年単位の雇用契約を繰り返す「細切れ雇用」をなくすために、期限の定めのある雇用契約は合理的な理由がある場合に限定する、非正規と正規の不当な差別や格差をなくすために均等待遇の原則を確立するなど、非正規労働者の雇用と権利を守ります。
(2)引き下げられた賃金、減った所得を増やす方向に転換する ―― 政治の責任で二つの取り組みをすすめます
 勤労者世帯の年収は、1997年をピークに平均で92万円も減少しています。需要が落ち込み、「デフレから抜け出せない」という悲鳴があがるのも当然です。減らされた所得を取り戻すことなしに暮らしも経済もよくなりません。
 労働者の賃上げは、日本経済の前途を考えても、社会的な大義あるたたたかいであり、日本共産党は、労働組合をはじめ賃上げを求める運動と連帯してがんばります。同時に、賃金底上げのための政治の課題として、二つの取り組みをすすめます。
 最低賃金の引き上げ……全国一律の最賃制を確立し、当面、時給1000円以上を目標に大幅に引き上げます。日本の最低賃金は全国平均713円で、先進国で最低水準です。財界系のシンクタンクも「最低賃金の引き上げは最大の成長戦略」「国民の購買力が高まれば需要が増え、雇用も拡大する」(富士通総研)というレポートを出しています。中小企業への賃金助成や振興策とあわせてすすめます。
 国と自治体に賃金底上げの公的な責任をはたさせる……国や自治体の職場で、派遣や契約などの低賃金、不安定雇用が大きく拡大し、保育士の半分近く、公立図書館では6割が非正規とされています。国や自治体が、非正規雇用拡大と国民の所得減らしの先頭に立つことは許されません。賃金の引き上げと労働条件の改善こそすすめるべきです。
 国や自治体が発注・委託する事業で、低賃金を押しつけるために生まれている「官製ワーキングプア」を是正します。公契約に生活できる賃金と人間らしく働くことができる労働条件を定めるようにし、そのための公契約法(条例)の制定をすすめます。
(3)サービス残業を根絶し、長時間・過密労働を是正し、過労死をなくします
 企業犯罪である違法な「サービス残業」を根絶し、残業の上限を法律で制限し、残業代の割増率を50%に引き上げるなど、過労死や「心の病」を広げている長時間・過密労働をなくします。“1人に2人分働かせる”ような長時間労働を是正すれば、新規雇用の創出にもつながります。
(4)就職難の打開、新しい雇用の創出に取り組みます
 学生・高校生に「氷河期の再来」という深刻な就職難が襲いかかっています。日本共産党は、「新卒者の就職難打開へ――社会の第一歩を応援する政治に いまこそ、国、自治体、教育者、そして企業と経済界が真摯な取り組みを」を発表しており、その実現に力をつくします。
 新卒者への求人と雇用を増やすためにも、非正規から正規への雇用の転換、長時間労働の是正、公務・公共分野での非正規化の中止、社会保障の拡充や環境重視への政治の転換による雇用創出が必要です。
 就職活動の早期化・長期化は、学生の重い負担になっているだけでなく、「ゼミが成立しない」など大学教育にも大きな弊害をもたらしています。面接解禁日の設定や卒業後3年間は「新卒扱い」とするなど、学業と両立できる「就活ルール」をつくります。奨学金返済猶予制度の拡充や経済的負担の軽減などの支援策もすすめます。
(5)失業者への生活援助と再就職支援を抜本的に強化します
 雇用保険を抜本的に拡充する……失業者の約7割が雇用保険の失業給付を受けていません。ドイツやフランスは10%台ですから、日本ほど失業者に冷たい国はありません。
 失業給付期間を、現行の90〜330日から180〜540日程度まで延長する、受給資格の取得に要する加入期間の短縮、離職理由による失業給付の差別をなくし、3カ月の待機期間をなくすなど拡充します。失業給付期間が切れても再就職できず、生活が困窮している失業者への生活扶助制度を創設します。
 公共職業訓練所の統廃合をやめ、充実・強化する……公立の職業訓練校の削減に続き、「事業仕分け」によって、国の責任で行われてきた職業訓練所も大幅に削減されようとしています。希望するすべての失業者、新卒未就職者に職業訓練の機会を提供できるように公共職業訓練所の削減をやめるとともに、技術や技能、資格を取得できるよう訓練内容もふくめて充実します。