2014.07.27
★本日、「信州 山の日(7/27:第4日曜)」みんなで安全登山を!
◆“山ガール”の出現
もう数年前になるでしょうか?ファショナブルなアウトドアスタイルで登山する所謂“山ガール”が話題になりました。彼女らは、「必ずこの山を征服する」とか、「より多くの山を制覇する」ことだけを目的としていると言うよりも、むしろ「登山を趣味のひとつとする自分自身」に喜びや楽しさを求めているのではないか、と邪推しています。この“山ガール”の出現で、一般的に地味な感じに受け取られていた「登山」に彩りが添えられ、華やかさをも感じるようになったと思うのは私だけでしょうか。
◆登山ブーム再来!?
そして、登山ブーム再来に拍車を掛けたのは、何と言っても、日本が誇る“富士山(Mount Fuji)”の存在でしょう。関連する文化財群と共に『富士山-信仰の対象と芸術の源泉』(山梨県、静岡県)の名で、昨年、“世界文化遺産に登録(2013/6/22決定。正式記載日:6/26日付)”されたのは大きな要因と思います。富士山頂で日の出を見る為、夜通し歩いて山頂を目指す“弾丸登山”も話題となり、「入山料」の支払いも開始された現在、「山ガール」のみならず、多くの高齢者を含む老若男女が、ひたすら「富士山登山」に挑戦する今日となりました。
◆今年の「信州 山の日」は7/27(日)
今年の大暑(7/23)も過ぎ、まさに夏本番となりましたが、勿論、多くの一般登山者が目指すのは「富士山」だけでは毛頭ありません。日本アルプスを擁する長野県は、「信州 山の月間(7/15~8/14)」と銘打ち、7月第4日曜日(今年は7/27)を「信州 山の日」と定めています。因みに、日本アルプスは、中部地方にある(1)「北アルプス(飛騨山脈)」、(2)「中央アルプス(木曽山脈)」、(3)「南アルプス(赤石山脈)」の3つの山脈からなる総称ですが、みなさんはどこの山に登られたことがありますか?
◆『信州 山のグレーディング』で「必要体力度&難易度」が一目瞭然
閑話休題、この度、長野県と長野県山岳遭難防止対策協会によって、最近顕著な「山岳遭難事故」を防ぐ為、県内の「主要登山100ルート」ごとに、(1)「必要体力度(10段階に分類)」と(2)「難易度(5段階に分類)」が評価(無雪期・天気良好時)され、『信州 山のグレーディング』のランク表が作成されたのです。これは、「マトリックス図:(1)を縦軸、(2)を横軸」になっていますので、自身が選択した「登山ルート」と目指す「山の名前」を探せば、一目瞭然です。これで、長野県は“「自分に合った山選び」で安全登山”を呼びかけているのです。
◆“山を笑う者は山に泣く”
蛇足ながら、筆者は、高校時代に“日本のマッターホルン”と呼ばれる「槍ヶ岳(標高:3,179.5メートル。北アルプス)」を征服した経験があります。勿論、単独登頂ではなく、ワンダーフォーゲルクラブに所属していましたので、集団登頂したという経緯です。当時の模様は、下界で今夏の最高気温を記録した日に、雪渓を背景とした「上高地」のベースキャンプを経て、濃霧で1メートル先も見えなくなる中、山頂(広さ:約6畳分)到達の直前は、その名(ヤリ:「槍ヶ岳」)のとおり急勾配の岩場で、鉄製の梯子と鎖を掴み、山頂に“ヨジ登った”記憶があります。標高3,000メートル超の山頂を征服したのは感無量で、今となっては思い出のひとつです。因みに、前掲の『信州 山のグレーディング』で、この登山ルートの「槍ヶ岳(上高地)」を見ると、「必要体力度:8(2~3泊以上が適当)」、「難易度:C(中級者)」と判定されます。ただ、山のグレードがどうあれ、“山を笑う者は山に泣く”とも言われていますので、標高の高低を問わず、単にファション感覚で「登山」を舐めてかかってはいけないことだけは肝に銘じてください。そして、長野県のご配慮(『信州 山のグレーディング』)に感謝し、背伸びせず、みんなで楽しく“安全な登山”に臨んでいただきたいと思います。
【ご参照】
◆『 信州 山のグレーディング ~登山ルート別 難易度評価~ 』
URL http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/documents/yamanogure-dexingu.pdf
【出所】長野県山岳遭難防止対策協会総務部公表資料。