2014.11.13
2015年の派遣法改正 “均等待遇”を希求する『同一労働同一賃金推進法案』は果たして2015年の通常国会で審議されるのか?
◆「同一労働同一賃金推進法案」に基づく理念とは
今臨時国会で審議入りした「労働者派遣法改正案」に対抗し、過日、野党4党(民主・維新・みんな・生活)は、「同一労働同一賃金推進法案」を衆議院に提出(11/6)しました。当該「対案」によると、その理念として、次の3点を掲げています。
1.雇用形態にかかわらず職務に応じた待遇
2.正規への転換も含め、希望する雇用形態への就労機会
3.労働者がキャリアプランを作り、職業を自己選択
◆職務に応じた待遇の確保
また、「同一労働同一賃金推進法案」の要綱※1)においては、「職務に応じた待遇の確保」を掲げており、次のように明示しています。即ち、《政府は、派遣労働者の置かれている状況に鑑み、派遣労働者について、派遣元事業主及び派遣先に対し派遣労働者の待遇についての規制等の措置を講ずることにより、派遣先に雇用される労働者との間においてその職務に応じた待遇の均等の実現を図るものとし、このために必要となる法制上の措置については、この法律の施行後1年以内に講ずるものとすること。》としています。
◆「均衡待遇」&「均等待遇」の闘い?
この「同一労働同一賃金」に関し、当ブログ※2)ではすでに2年前から注目している問題ですが、「労働者派遣法改正案」における「均衡待遇」と「同一労働同一賃金推進法案」における「均等待遇」の対立は、決して語彙趣旨の闘いにとどまるものでは毛頭なく、あくまでもわが国が抱えている“労働者派遣”における現実的課題を解決すべき実効性のある論議が肝要と考えます。臨時国会も後半に臨んだところで、唐突に“衆議院の解散・総選挙”の風が吹き荒れる事態となり、「同一労働同一賃金推進法案」は、果たして2015年の通常国会で審議されるのでしょうか?それ以前に、まずは衆議院総選挙において「労働者派遣法改正」が目玉政策となるのでしょうか?「2015年の派遣法改正」の行方に刮目しなければなりません。
【ご参照】
※1)「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する要綱」。
※2)ブログ記事(2012/1/18日付)
:『「同一労働同一賃金」=平等化と“均衡待遇”が労務問題を引き起こす』。
URL http://www.jsbb.jp/rk/13642/