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2011.12.19

★ドイツ日本研究所(DIJ) 派遣労働を「幸福経済学」の観点から探究するティム・ティーフェンバッハ博士

◆DIJのプロフィール

 1988年に開設(東京)された「ドイツ日本研究所(英:German Institute for Japanese Studies;略称DIJ)」は、現代日本研究を専門とする学術研究機関です。DIJの現在の責任母体は「ドイツ海外学術研究所財団」で、DIJの研究基準は、《ヨーロッパの視点から見て、一体何が日本理解のために大きな認識価値を持つかといった根本的な問題》にあると掲げています。

◆DIJの目的と課題

(1)DIJの目的は、《現代日本の文化、社会、経済、日独交流史等の研究を通して相互理解を深めるための一翼を担い、研究の成果を通してドイツにおける日本に関連した研究の発展に寄与するとともに、将来に向けて若い研究者を育成していくことにある》としています。
(2)DIJの設定課題は、次の3点です。
1.人文、社会、経済の各分野において現代日本を対象とした研究を行う。
2.若い研究者に博士号を取得するための奨学金を与え、日本における研究を助成する。
3.日本の学術研究機関ならびに研究者との緊密な協力を求める。

◆ティム・ティーフェンバッハ博士の略歴

 ドイツ連邦共和国に所在するバイロイト大学(バイエルン州立総合大学。本部:バイロイト市)にて「Philosophy and Economics」(経済学と哲学を組み合わせた課程)を専攻。2011年7月に経済学博士号取得。同年10月よりドイツ日本研究所専任研究員に就任。DIJプロジェクトは「幸福の所在-その変容と持続」。現在は、派遣社員と正社員の幸福度の比較に基づいた日本の労働市場制度改革について研究を進めている。主たる研究分野は、幸福経済学、新制度派経済学と経済倫理学。

◆“幸福度(幸福経済学)”に基づく比較研究

 ティム・ティーフェンバッハ博士は、DIJ専任研究員として、派遣労働問題を照準に“幸福経済学”を応用するご研究を進められています。換言して、日本の労働者派遣事業においては、とりわけ非正規労働のネガティブ面にスポットが当てられていますが、あくまでも派遣労働は雇用形態の選択肢のひとつと捉え、正規社員との幸福度の比較分析に基づき、新たな制度改革を見出そうとされるご研究と解しました。
 わが国が「派遣法改正」を控えた時期に、ティム・ティーフェンバッハ博士がDIJ専任研究員として来日されたのはタイムリーであり、今後はティム・ティーフェンバッハ博士より、ご示唆賜れることを願うばかりです。

◆ティーフェンバッハ博士ご参加の『請負化推進セミナー』
 前記ご研究に専念のティム・ティーフェンバッハ博士には、弊社主催の『請負化推進セミナー』に過日ご参加賜り、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。ティム・ティーフェンバッハ博士の益々のご活躍を祈念申し上げる次第です。尚、わが日本の『労働者派遣法改正案』は、臨時国会閉会(12/9)と共に、2012年通常国会への継続審議扱いとなりましたので、引き続き「派遣法改正」の行方に刮目していきましょう。
【ご参照】
★ドイツ日本研究所(DIJ)のHP
 URL http://www.dijtokyo.org