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2008.06.05

「品格」は1日にして成らず

◆「ハケンの品格」
 「それが何か・・」というセリフは、スーパー派遣社員「大前春子」こと、女優の篠原涼子氏が演じた日本テレビ系ドラマ「ハケンの品格」でのワンシーンでした。「スーパー」の冠を付けたのは、登場人物が数十に上る各種の検定資格を保有していたからで、一種のブランド志向と同様、多数の有資格で着飾ったガンダムのように鉄壁な「ハケン」社員という人物設定になっていました。蛇足ながら、全く当該女優のファンではありませんが、そう言うブロガーの私も一視聴者だった訳で、当ドラマ放送は昨年終了しましたが、今年の昼間時間帯に再放送されるほどの人気番組でした。現在なら、そのセリフは「別に・・(女優:沢尻エリカ氏言)」と置換されるのかもしれませんが・・。世はまさに「品格」流行りで、新刊書籍のタイトルに「品格」の2文字を付けるだけで「品格」効果が表れるようで、期待される語彙になっています。反面、これだけ「品格」が乱発されるようでは、「品格」の品格が問われると嘆く人もいるかもしれません。
◆多岐にわたる当ブログテーマ
 閑話休題、今さらながら、当該番組の批評をする訳では毛頭なく(勿論、その資格もありませんが)、当該番組を視聴したのは、「労働者派遣」をテーマにしていた点に惹かれました。因みに、CMスポンサーの人材派遣大手会社は、今秋にも経営統合の予定とマスコミ報道されましたが、申し上げるまでもなく、労働者の雇用形態と就労形態は多様化を極めている現代です。手前味噌になりますが、当「『人事総務部』ブログ&リンク集」※1)では、主に労働者派遣等に係るテーマを取り上げており、前記の雇用・就労形態の多様化に合わせ、「改正パートタイム労働法(2008年4月1日施行)」や、「外国人労働者の適正な雇用管理に関する事業主の留意点」について、そして、現在も社会問題化している「ワーキングプア」に関しては、「日雇派遣労働者の生活実態」、「フリーターは、自立できるか」等を取り上げています。また、「請負シリーズ」として、「適正な請負」をはじめ、「偽装請負と臨検監督」、「定期監督に備える企業の対策とは」、「『労災かくし』は、コンプラ違反そのもの」等、事業主の視点を含めたテーマで提言していますので、過去の記事もご覧いただければ幸甚です。
◆国家と自分の品格
 さて、数学者である藤原教授※2)は、「まず日本人それぞれが情緒と形を身につけることです。それが国家の品格となります。」と述べられています。そして、具体的には、「品格ある国家の指標」として4項目を挙げられていますが、ここでは詳細を割愛しますので当該新書でご覧ください。単純に、「国家」を「自分」に置き換えてみると、「各人が情緒と形を身につける」ということになります。一方、すでに15年も前に「日本人の品格」(PHP)の著書を出されている学者の渡部教授※3)は、近著「自分の品格」で、「簡単に物事を諦めないこと」と述べられています。つまり、「諦める理由」や「できない理由」を探す前に、「少々困難であっても、簡単には投げ出さないことである。」と。それが一流へ繋がるものであり、置換して、「自立しているということだ。」と。続けて、「自立していなければ恥なのだということをしっかりわきまえていること、つまり、恥を知っているところから品格は生まれてくるのである。」と主張されています。
◆「品格」とは何か
 官民を問わず、不祥事発覚による経営者や団体幹部等のお詫び報道も、連日のようになると視聴者も感覚がマヒされ、毎日の交通事故発生情報と同様、自分自身を含めて個々の視聴者が、「また不祥事か・・」という軽い受け止め方に変貌していくのは恐ろしい限りです。このように、不祥事発覚が日常茶飯事という現状では、幼いわが子に対し、母親が日常生活のことを口うるさく世話をやくように、当ブログもマスコミ報道と同様、世間に向かって「警告」ばかりを発信することになりかねません。
 改めて、「品格とは何か」と問われた場合、あなた自身は迷わず明確に答えられる準備はできていますか。企業・個人を問わず、少なくとも、渡部教授がおっしゃられるように、恥をかかないばかりでなく、「模範」となれることを保ちたいものです。いえ、保ち続けなければならないものであり、法治国家のわが国で言えば、「品格」は、「コンプライアンス(法令遵守)」にほかならないと確信します。まさに、「『品格』は1日にして成らず」です。今回は、ひと時の「コーヒーブレイク」になりましたでしょうか。「別に・・」って? 
※1)姉妹サイト:人材派遣・アウトソーシング総合検索サイト「人事総務部」http://www.jinjisoumubu.jp
参考:※2)「国家の品格(藤原正彦著)」株)新潮社。※3)「自分の品格(渡部昇一著)」株)三笠書房。「人材ビジネス業界で働きたい!(三浦和夫編著)」株)ローカス。