2025.06.25

派遣社員への年8時間の教育訓練と、eラーニング導入時の注意点

　2015年の労働者派遣法改正により、派遣元事業主には「年8時間以上の教育訓練」の実施が義務づけられました。これは、派遣社員のキャリアアップを目的としたもので、入社から3年間は毎年継続して実施する必要があります。
　近年、多くの派遣会社でeラーニングを活用した教育訓練が進んでいます。一方で、実施方法によっては注意が必要です。とくに、研修やスキルアップ講座を「就業時間外」に行わせた場合、労働基準法上の労働時間と見なされる可能性があります。業務命令としての受講であれば、たとえ自宅での学習でも、未申告の時間外労働やサービス残業と判断されるリスクがあるためです。
　派遣社員の教育訓練を推進するにあたっては、こうした労務リスクにも十分配慮し、適切な運用を行っていただきたいと思います。