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2013.02.12

★中国の大気汚染物質「PM2.5」の日本飛来で“すでに『環境基準』を超過”していた!

◆日本政府の対応はこれから?

 中国の大気汚染について、とりわけ“微小粒子状物質「PM2.5」”の日本への飛来が懸念されていることは、過日の当ブログ記事【ご参照】※1)で述べたとおりです。
 さて、マスコミ報道によると、石原環境相は、緊急行動計画を発表(2/8日付)しました。当該内容は、《自治体による注意報や警報の発令を検討すること》を柱とし、《2月中をめどに自治体が住民に注意喚起するための指針を取りまとめる》とのことです。

◆九州では「PM2.5」の常時監視測定を公開中

 そこで、微小粒子状物質「PM2.5」を含む大気汚染物質の飛来が早いと推測される「福岡県」及び「佐賀県」のホームページを見ると、各々の県では、《微小粒子状物質(PM2.5)の常時監視測定を開始しました》、《微小粒子状物質(PM2.5)の常時監視測定を行っています》の見出しで、県内測定局の詳細データがリアルタイムで公開されていることを遅まきながら知りました。

◆『環境基準』は4年前に発出

 前掲の両県の当該データ結果をご紹介する前に、まず、『環境基準(平成21/9/9日付環境省告示第33号)』で、微小粒子状物質は、《1年平均値が15㎍(マイクログラム)/㎥以下であり、1日平均値が35㎍/㎥以下であること》と、「環境上の条件」が発出されています。因みに、《※1㎍(マイクログラム)=0.000001g》で、当該物質は、《粒径2.5㎛以下と小さいため、肺の奥まで入りやすく、肺がん、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されている》のです。

◆“環境基準超”となった「1月31日」!

 『環境基準』を確認したところで、改めて福岡県と佐賀県の大気環境状況について、「微小粒子状物質(PM2.5)」のデータ(速報値)を見て、すでに当該物質が大量飛来した“危険日”は過ぎていたことに驚嘆したのは、恥ずかしながら、私だけかもしれません。その“環境基準超”となった日は、今年の「1月31日(木)」でした。
 具体的な数値結果は、福岡県(県内10箇所)の当該物質測定局のうち、「市役所(測定局)」のデータ結果(1/31終日)を見ると、なんと「平均値:46.1㎍/㎥」でした。また、佐賀県(県内4箇所)での最高値(速報値)は「45.9㎍/㎥(唐津測定局)」で、他の3測定局(同速報値)も、鳥栖(43.0㎍/㎥)、武雄(42.0㎍/㎥)、佐賀(36.3㎍/㎥)の順で『環境基準』を超過していたのです。これは由々しき事態で、リアルタイムで「注意報」や「警報」を発令しなければならないレベルまで到達しているのではないかと、一抹の不安を覚えた次第です。
◆日本を襲う“PM2.5”&「黄砂」+「花粉」
 今年2月に入ってからの両県における当該物質の大気汚染状況は、現在(2/8)のところ、両県ともに約「20㎍/㎥前後」で推移していますが、今後、当該物質の飛来による「大気汚染」のうえ、「黄砂」飛来や「花粉」の大量飛散も予想されており、不安な気持ちで毎日の生活に臨むことを強いられるのではないでしょうか。これは決して九州だけの環境問題ではなく、日本全体がこれまで以上に環境汚染されることを懸念します。東日本大震災後の「放射性物質汚染濃度」のように、重点箇所の測定データを、国民が毎日確認できるよう“見える化”していただくのも一方策と考えます。そこで、冒頭の記載内容に戻りますが、石原環境相は2月中の指針策定とは言わず、また、注意報や警報発令を各自治体に一任するのでなく、日本政府が一刻も早く、“中国の大気汚染(PM2.5)襲来”に伴う環境保持態勢に臨んでいただくことを期待します。
【ご参照】
※1)ブログ記事:『中国の大気汚染は“日本への攻撃(テロ)”では?』。
【資料】環境省水・大気環境局公表資料。独立行政法人国立環境研究所公表資料。福岡県環境部公表資料。佐賀県くらし環境本部公表資料。