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2012.02.22

★厚生労働省 「原発改修工事」で“派遣・請負の適正な実施”を要請

◆派遣・請負の“適正な実施”を要請

 厚生労働省は、原子力発電所の改修工事で実施される業務について、電力会社や主要経済団体・労働者派遣事業団体・建設業団体に対し、《労働者派遣・請負の適正な実施》を要請(12/2/3日付)しました。当該「要請書」が発出されたのは、原発改修工事において、《請負事業と偽装しながら、作業員を送り込んで注文主の指揮命令の下で労働に従事させ、職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)に違反した疑いで、請負業者の役員等が逮捕され、略式起訴されるという事案》が発生したことに因ります。

◆「コンプラ」の周知啓発を

 当該『要請書(職業安定局長名による発出)』の趣旨は、要するに、所謂“偽装請負”と見なされる場合には、派遣法違反や職業安定法違反となるので、業務発注に当たっては十分注意するよう周知徹底くださいということです。勿論、その周知啓発に際しては、「請負・労働者派遣・労働者供給のイメージ(参考1)」、「労働者派遣法・職業安定法の関係条文(参考2)」、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準関係(参考3)」の添付資料を確認するよう指示されています。その中で、「参考3」の資料には所謂「労働省告示第37号」に関する疑義応答集をインターネットで参照するよう、そのURLが記載されていることを付記しておきます。ただ、これら資料の内容は、すでに企業の皆様が周知の知識であり、とくに目新しいものではありません。

◆所謂「告示第37号」運用&その「疑義応答集」に異論

 “法令遵守”は言わずもがなですが、とりわけ、前記の所謂「労働省告示第37号」の運用及びその「疑義応答集」の内容については、当該「告示」の創案者である木村大樹氏(現・国際産業労働調査研究センター代表※1)は、異(下記【ご参照】)を唱えられています。即ち、当該告示の「疑義応答集」は、《厚生労働省や労働局の担当者などが、(~中略~)明らかに告示第37号の規定を無視していて、自らの思い込みで作成しているとしか思えません》と。と言うのも、《告示第37号は派遣事業に該当するか否かについての区分のための基準を定めて》いるものであり、敢えて《大臣告示で官報によって公表することにより、派遣事業に該当するか否かが国民(企業)にとっても判断できるようにしている》と改めて主張されているのです。

◆「請負事業」の判断が目的ではない

 このように、木村大樹氏は、所謂「労働省告示第37号」及びその「疑義応答集」において、厚生労働省は独断的運用をしていると指摘しています。そして、《派遣事業とは、労働者派遣法第2条第1号及び第3号に定義されて》いるのであり、「告示第37号」は、《請負事業に該当するか否かの判断を的確に行うことを目的として定められている訳ではありません》と念押しされています。

◆「正しい請負」の習得は『請負化推進セミナー』で
 派遣事業の適否に関し、木村大樹氏の主張に従えば、前掲の「疑義応答集」を除き、当該法令や告示等で判断することになります。では、「適正な請負」に関してはどう判断したらいいのか、という疑問が残ります。本来的に、厚生労働省は「請負」に関しては“管轄外”であり、派遣法違反や労働者供給事業が行われていないかどうか等を監視しているに過ぎないのです。そもそも「請負」は派遣事業とは異なり、その自由度は大きいのです。“適正な請負”の推進でお困りの場合は、手前味噌で恐縮ですが、弊社が継続主催している★『請負化推進セミナー』http://www.os-g.co.jp/seminar/ へのご参加を是非お奨め致します。「正しい請負」を学んで、“鬼に金棒”で臨んでください。

【ご参照】
※1)木村大樹氏プロフィール http://www.os-g.co.jp/seminar/spk_kimura/
●ブログ記事(12/1/25日付)
 :「《再》書籍のご案内『派遣と請負に関する行政指導と企業の対応』木村大樹著」。
【資料】厚生労働省職業安定局公表資料。