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2015.01.31

★国際的交流拠点(ささしまライブ24地区)に結節する“一般市道「椿町線」とは?”

◆今回は“各論の各論”

 まず、本日のブログ記事は“各論※1)の各論”になります点を、どうぞご容赦願います。即ち、それは、名古屋都市計画事業(土地区画整理事業)に関わる内容で、当ブログの過去記事※2)に記載した《【8】「特定都市再生緊急整備地域」の西端の境界》の補足となりますので、ご関心ある読者様に引き続きお読みいただければ幸甚です。
 筆者がその細部に拘泥するのは、それが「ささしまライブ24土地区画整理事業」で、また、現在工事進行中の名古屋駅前の再開発事業やリニア中央新幹線に関わる「特定都市再生緊急整備地域」に属しているからです。尚、この「特定都市再生緊急整備地域」については、リニア中央新幹線の整備等を踏まえ、従前の「特定都市再生緊急整備地域(約110ha。2012/1/25日付指定)」の範囲より拡大(約286ha。2013/7/9日付閣議決定)されていることは、ブログ記事※3)に付記したとおりです。

◆歩行者用「オーバーパス」が整備された

 さて、前掲の「項目【8】」では、《この「笈瀬通」から南方に位置する「ささしまライブ24地区」と結節する道路が整備される計画》と記しましたが、誤解なきよう改めてここに補足させていただきます。
 即ち、「笈瀬通(オイセ ドオリ)」は一般自動車が走る片側1車線の道路ですが、従前、この通りは「ささしまライブ24地区」に到達または貫通していなかった、という点です。「笈瀬通」から「ささしまライブ24地区」に行く方法は、「笈瀬通」の突き当りの近鉄名古屋線「米野駅(コメノ エキ)」のすぐ東に、『ささしま米野歩道橋(オーバーパス。延長156m、有効幅員:4m、エレベータ2基。工事費:約42億円)』がすでに整備完了(2011/9/7開通)※4)【ご参照:写真】されており、この新しい歩道橋を渡ることになるのです。勿論、文字どおり、利用できるのは歩行者(筆者も数度利用)で、これが「都市計画道路椿町線の歩道橋」です。注目するのは、これが「近鉄(名古屋線)」と「JR東海(関西本線)」と高架鉄道の「名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)」を一気に跨ぐ歩道橋であり、最寄駅の「ささしまライブ駅(あおなみ線)」に直結している点です。“大きな川(既存の鉄道)”に橋が架けられて渡れるようになったのと同様、歩行者アクセスは格段に向上されたのです。

◆鋼材トラス製の「向野橋」は現存

 ここで少し話が横道に逸れて恐縮ですが、実は、前記の『ささしま米野歩道橋』が完成するずっと以前から、これらの鉄道路線を跨ぐ「橋」は現存しています。それは『向野橋(コウヤハシ):1930年建設。鋼製、橋長:119m、橋幅:5.5m』の存在で、名古屋市中村区側から渡った先は、同市中川区になります。蛇足ながら、過日、筆者はこの橋上で、韓国映画撮影ロケ隊に遭遇したこともあり、哀愁感漂う“鉄橋”です。橋上からは、JR東海の名古屋車両区や複数の線路群を俯瞰できるので、所謂“鉄ちゃん(鉄道マニア)”なら泣いて喜ぶ、知る人ぞ知る“絶好のスポット”ではないかと邪推しています。ただ、前記のとおり、建設後85年という年月を経て老朽化している為、歩行者は現在も通行可能ですが、「四輪車・自動二輪車は通行止め(2002/4月より)」となっている為、“一般自動車での往来は不能”となってしまっているのです。

◆自動車は「アンダーパス」で

 閑話休題、「それでは、一般自動車はどのようにして当該地区へ行けるのか?」との疑問が残りますが、それを次に述べます。結論から申し上げると、一般自動車は、工事完了(完成予定:2016年)後に供用される『アンダーパス(延長:162.7m。4車線で1車線幅は3.25m。工事費:192億円)』を走ることになります。これは都市計画道路椿町線の車道部に当たり、前述の「近鉄(名古屋線)」と「JR東海(関西本線)」と「名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)」の“鉄道下を横断する道路”となるのです。勿論、これも冒頭の「特定都市再生緊急整備地域」に属し、現在のところ、「ささしまライブ24地区」へ行くには、当該工事完了までの間、道路を大きく迂回して行くしかないのです。
◆名古屋駅の東西で交通量に大きな乖離
 ここで一旦、その「アンダーパス」に繋がる「椿町線」の交通量に着目してみたいと思います。名古屋市の関係資料※5)で「直近データ(平成22年度)」を見ると、椿町線の「平日の12時間交通量」は「13,703台」で、5年前のそれ(「16,561台/12h」:平成17年度)と比較すると、約2割弱減少しています。また、椿町線の交通量を、「名古屋駅前(主要県道名古屋津島線。調査・観測地点:中村区名駅1丁目。起点:広井町線、終点:名古屋長久手線)の交通量(「23,908台/12h」:平成22年度)」と比較すると、その約6割弱(約57.3%)に過ぎません。「名古屋駅」を挟み、その東側(名駅前)と西側(新幹線側)の道路でこのような大きな乖離があるのはなぜか?次は、この疑問について考えてみました。
◆一般市道「椿町線」に存在した弱点は?
 この一般市道「椿町線」は、東海道新幹線「名古屋駅」の太閤通口(西口)側を走る道路ですが、南下すると主要県道「名古屋津島線」の交差点(太閤1丁目)にぶつかり、“行き止まり”になっていたことが最大の弱点であったのではないか、と推測しています。思い起こせば、その行き止まりとなった「T字」地点には、かつて「映画館:前身は1956年「マキノ劇場(マキノ映劇)」。後に1983年「ゴールド劇場・シルバー劇場(計:360席)、「まんが喫茶」併設(中村区太閤1-23-11)」が立ちはだかっていたのです。紆余曲折を経て、「ささしまライブ24地区」の整備事業に伴う道路拡幅工事の為、当該映画館は閉館(2012/2/3)になったという経緯です。因みに、前記「T字」地点で交わった主要県道「名古屋津島線(調査・観測地点:中村区太閤通3丁目。起点:名古屋長久手線、終点:名古屋環状線」の交通量は「21,033台/12h(平成22年度)」で、名古屋市内を東西に走るメインストリートの一部だけに、名駅前のそれ(前掲)と見劣りしない交通量(前掲対比:88.0%)になっています。
◆“国際的交流拠点”に繋がる「椿町線」
 以上のとおり、一般市道「椿町線」は、東海道新幹線(JR東海)の名古屋駅太閤通口(西口)から、「ささしまライブ24地区」に直結する幹線道路(名古屋都市計画道路事業3・3・14椿町線。事業費:83億円。施行延長:555m、4車線)として整備されつつあり、前述の「ネック(行き止まり。当該道路整備の為、現在は一時的に空地)」もこれで解消されるという訳です。
 今、まさに名古屋駅前は、再開発事業による高層ビル群の建設只中で、2027年に先行開業されるリニア「中央新幹線」を見据え、私鉄(名古屋鉄道、近畿日本鉄道)が経営するデパート等も「高層ビルとして一体再開発」が予定されており、更に、リニア効果を活かす為にも、名古屋からの交通アクセスのより一層の短縮化の為、「高速道路の名古屋駅乗り入れ」の構想も浮上しているところです。冒頭の「特定都市再生緊急整備地域」の一角を形成する「ささしまライブ24地区」は、今後、“国際的交流拠点”を目指すこととなり、一般市道「椿町線」の延長が大いに貢献するものと思われます。
【ご参照】
※1)ブログ記事(2014/11/29日付)
 :『★“国際的な交流拠点”を目指す「ささしまライブ24(再開発地区)」』。
  URL http://www.jsbb.jp/st/29224/
※2)ブログ記事(2014/2/22日付)
:『★名古屋駅前再開発事業&リニア中央新幹線開業で“サスティナブルな街づくり”を期待』
  URL http://www.jsbb.jp/st/26506/
※3)ブログ記事(2015/1/24日付)
 :『★「超電導リニアによる中央新幹線に関する事業説明会」に出席して』。
  URL http://www.jsbb.jp/st/29847/
※4)「オーバーパス」:(1)橋上のエレベータ北側出入口と(2)内観【写真:2012/4/8 pm筆者撮影】
20150131_01 20150131_02
【資料】※5)『平成22年度 名古屋市一般交通量概況 全国道路・街路交通情勢調査報告書(道路交通センサス)』名古屋市公表資料等。