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2012.08.08

★震災復興に対する政府姿勢に疑念を抱く国民感情

◆政府は被災者の心情を汲み取っているのか

 「国会周辺での“反原発デモ”、ネット呼びかけによって多くの人々が集結した」というTV報道に接し、いよいよ日本でも外国のように暴動が起きるのだろうか、と一抹の不安を覚えたのは私だけでしょうか。勿論、きちんと届出手続きを踏んだデモであれば、国民主張の一表現ですから、単純に否定すべくもありませんが・・。その根底には、東日本大震災に伴う「福島第一原子力発電所(東京電力)」の爆発事故で、現在も放射能汚染に悩まされている国民の辛い心情が存在することを、政府は持続的かつ本当に心の底から汲み取る姿勢で臨むことが、今まで以上に望まれていることは間違いありません。

◆震災後、再稼動した「原発」

 話は遡及しますが、福島第一原子力発電所事故直後、政府要請で真っ先に全面停止(2011/5月)させられたのは「浜岡原子力発電所(中部電力)」で、まだ昨年のことで誰も忘れようがありません。勿論、当該要請の裏付けには、「東海・東南海・南海地震」の同時発生危機を前提としたものであることは周知のとおりです。しかしながら、国内経済や国民生活に支障を来すのを回避するとの大義名分により、現在は、「電力使用制限令」が発令されることなく、「大飯(オオイ)原子力発電所(関西電力)」の3・4号機は、予定どおり?共にフル稼働(2012/7月)となったのです。

◆実証された“一瞬”

 更に、話を蒸し返して恐縮ですが、繰り返される毎日の「原発報道」の中で、今でも明確に耳に残っているのは、「原発は一瞬止まります」という枝野経済産業相の発言です。つまり、当該発言に対し、個人的に大きな違和感を覚えたからです。これに対し、藤村修官房長官は、《「一瞬とはあまり適切な言葉ではない。また次が(すぐに)稼働すると受け止められかねないが、そういう意図ではない」》と“火消し(4/16:記者会見)”対応をしましたが、震災後、原発が再稼働した今となっては、枝野経産相発言の“一瞬”を実証したに過ぎなかったのではないでしょうか。当該発言に執拗に迫るのも、これまでの原発発言のみならず、枝野経産相に“二枚舌”の嫌いが垣間見られるからです。即ち、前掲の発言とは裏腹に、枝野経産相が「個人的な意見」と断って言及するも、《「できるだけ早く原発依存から脱却して、原発への依存をゼロにしたい」(4/13:衆院経済産業委員会)》と述べたこと等がその一因です。

◆急務なのは「ガレキ処理」

 大津波を伴った「東日本大震災」は確かに国難でしたが、国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(黒川清委員長)の「最終報告書(7/5)」で明らかにされたとおり、福島原発事故は“人災”だった訳ですから、政府は、本当に真剣に「世論調査」や「意見聴取会」での国民の生の声をしっかりと受け止めて、今後の対策に臨むべきと考えます。政局混迷の只中、政府(内閣官房国家戦略室)は『日本再生戦略』を広報(8/5)しましたが、何よりも急務なのは、東北地方の一刻も早い「ガレキ処理」と、「原子力規制庁(事務局)」を含む「原子力規制委員会」の発足で実質的に機能することです。東日本大震災からの“復興”に対する遅々とした政府の姿勢では、『マニフェスト(民主党)』と同様、これも無視されては何をかいわんや、です。果たして、野田首相は、東日本大震災の被災者との約束をもう忘れてしまったのでしょうか?