2025.07.11
トランプ関税で忍び寄る景気後退 ― 8月1日を前に何が求められるのか
「トランプ関税」の発動が延期され、一時的な猶予は与えられたものの、国内経済にはすでにじわじわと悪影響が広がり始めています。
特に懸念されるのが製造業への影響です。日本の製造業は、完成品だけでなく、部品や素材をアメリカ市場に供給しているケースが多く、25%の関税が実施されれば、これらの価格競争力が一気に失われる恐れがあります。取引先からの受注減やコスト上昇に加え、生産拠点の見直しを迫られる企業も出てくるかもしれません。
一部の企業では、すでに北米向けの製造ラインを縮小したり、原材料調達先を再検討したりする動きも始まっています。こうした対応は、雇用や地域経済にも波及するため、景気の冷え込みを加速させる要因となりかねません。
もし8月1日に、トランプ前大統領が掲げる25%の関税が現実のものとなれば、日本経済は一気に冷え込む可能性があります。輸出減少に加えて、原材料価格の高騰、消費者マインドの冷え込みなど、波及効果は広範囲に及ぶでしょう。
政府には、日本経済への打撃を最小限に抑えるためにも、日本にとって不利にならない条件での交渉を強く期待したいところです。早期の合意は重要ですが、拙速な妥協は避け、冷静かつ戦略的な判断が求められます。
Category:社会情勢