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2010.09.04

防災の日 トリアージ 民主党代表選 “日本救済”なるか

◆「関東大震災」から早87年

 今年も「防災の日(9/1)」を迎え、全国各地で防災訓練が実施されました。「防災の日」が制定されたのは、相模湾北西部の相模トラフを震源 として1923年9月1日に発生した海溝型大地震「関東大地震(M:7.9。震度6)」に由来しているのは周知のとおりです。当該地震による「死者・不明者は14万2,807人」、家屋全半壊25万4千件余、焼失した家屋は44万7千余、山岳部では山崩れが多数発生し、海岸部では津波が発生したという大地震だったのです。

◆課題とされた「トリアージ」

 近年では、「阪神・淡路大震災(95年。犠牲者:6,433人)」を忘れることはできません。当該大震災から得られた災害医療に関する主な教訓と課題のひとつに、「トリアージ」が挙げられています。それは、《一部の医療機関ではトリアージ(選別)が行われなかったため、限られた人的・物的医療資源が十分に活用されなかった。:「災害医療体制のあり方に関する研究会」報告書》という事実です。

◆“負傷者の治療優先度選別”

 前掲の「トリアージ:triage(語源:仏語)」とは、“選別”を意味します。つまり、この「トリアージ」は負傷度に合わせた「負傷者の選別」のことで、“治療優先度の順”に次の4色で区分されています。優先度順に、「Ⅰ:赤(緊急)。直ちに治療を行えば救命が可能なもの」、「Ⅱ:黄(非緊急)。多少治療が遅れても生命には危険が及ばないもの」、「Ⅲ:緑(軽処置)。ほとんど治療を必要としないもの」、「O:黒(不処置)。すでに死亡したか、生存の可能性がないもの」と、トリアージ区分が決められています。
 尚、「トリアージ」は救急隊員・医師・看護師等によって短時間に判断され、具体的には右手首に「トリアージ・タッグ」※1)が付けられます。それは状況の変化に応じて繰り返し実施すべきものとされています。

◆「災害医療」の特殊性

 「トリアージ」は、限られた人的・物的医療資源で膨大な負傷者に対応しなければならない「災害医療」のひとつで、「救急医療」とは異なるものです。従って、《緊急の治療を要しない軽症は勿論のこと、救命の見込みのない超重症者に治療の優先権を与えないことが必要になってくる》というのが基本スタンスですから、非情かもしれませんが、そこには《「ひとりの命を救うために10人の命を失ってはならない」》という災害医療の特殊性が存在しているのです。但し、優先的治療を差し伸べるべき災害弱者として《こども(children)、女性(women)、老人(aged people)、障害者(patients)》があり、英語の頭文字から「CWAP」と言われています。

◆今、“日本救済”を
 時あたかも「防災の日」に“民主党代表選”が告示(9/1)され、討論が開始されました。リーマンショックに伴う金融不況を「災害」と仮定するならば、現在のデフレ経済下の日本には、果たしてどの「トリアージ・タッグ」が付けられるのでしょうか?前期の「CWAP」の弱者救済は勿論のこと、まさに今、“日本救済”のための具体的政策を願うばかりです。
※1)水に濡れても丈夫な紙製でモギリ式になっている。
参考:特定非営利活動法人日本防災士機構「防災士教本」。