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2010.01.12

改正入管法 在留資格「技能実習」の新設で労働関係法令等適用に

◆所謂「改正入管法」は今夏施行予定

 過去の当ブログ記事※1)では、外国人労働力の受入れに際して、(a)“研修期間の延長と共に、年金・社会保険等の充実と併せた受入体制の整備”が肝要なこと、また、(b)“「実効性のある研修制度」の整備・実施”を求めてきましたが、昨年の通常国会で所謂「入管法」※2)が改正、公布(09/7/15日付)されました。この「改正入管法(以下、同表記)」の主な要点は10項目に上り、その中で「研修・技能実習制度」が見直されましたので、以下にその要点をご紹介します。但し、施行日は政令で定められ、当該実習制度については公布日から1年以内に施行される予定ですので、施行されれば今夏から発効となります。

◆新設の在留資格「技能実習」

 前掲の「研修・技能実習制度」の要点は、第一に《実務研修(OJT)を行う場合は、原則、雇用契約に基づき技能修得活動を行うことを義務づけ、労働基準法や最低賃金法等の労働関係法上の保護が受けられるようにすること》、第二に《現在、独自の在留資格がなく、在留資格「特定活動」(法務大臣が個々に活動内容を指定する在留資格)として在留が認められている技能実習活動について、その資格を整備すること》とされており、《これらの2つの活動を行う在留資格として新たに在留資格「技能実習」》が創設されました。要約すると、研修生・技能実習生の保護の強化を図る為に在留資格「技能実習」が新設され、雇用契約に基づき行う技能等修得活動は、労働関係法令等が適用されるようになるという改正内容です。

◆外国人と共存共栄できる労働環境を

 これまでのわが国における外国人労働力の確保については、「単純労働力として扱われた」、「低賃金労働の温床」「人権侵害」等々の問題が取り上げられてきました。と言うのも、研修生(1年目)の身分は労働者として扱われないために労働基準法が適用されず、万一、研修中に負傷しても労災も適用されず、社会保険は未加入のうえ、最低賃金法も適用されないという事情があるからです。また一方で、少子高齢社会の渦中にあるわが国は、約45年後(2055年)の「生産年齢人口(15~64歳)」は2009年推計値対比で半減(約4,595万人)すると予測(出生及び死亡共に中位推計)※3)されています。従って、産業界においても少子高齢化を背景として外国人労働力の確保は重要課題であり、グローバルに外国人と共存共栄できる労働環境が整備されなければ、わが国の将来の繁栄は望めないものと考えます。
※1)◆当ブログ記事(09/9/10日付):『外国人労働者就労の受入体制整備を』等ご参照。
※2)「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律」。
※3)『日本の将来推計人口(平成18年12月推計)』国立社会保障・人口問題研究所公表資料。
参考:法務省入国管理局公表資料。