2011.07.17
★原子力発電所の運転停止で“節電”と闘う夏!
◆来年5月にすべての「原発」運転停止か
今夏は「東日本大震災」の影響の上、更に、菅首相の唐突な「ストレステスト(耐性試験)」の実施要請で、全国の電力会社の「原子力発電所」は、定期検査後の再稼動の見通しが一層不透明なものとなりました。このまま行けば、来年5月には国内の「原発」はすべて運転停止することになります。
◆現在は「電力使用制限令」下
実際、各電力会社の“電力供給余力”は異なりますが、電気事業法第27条に基づく「電力使用制限(昨夏の同期間における使用最大電力から一律15%削減)」の発効(7/1)で、東京電力及び東北電力管内の大口需要家(契約電力500kW以上)等をはじめ、私たちの家庭に至るまで、日々、“節電”と闘っている現状です。
◆ピークは“月~水曜日の約3時間”
今夏の節電対策の一環として、日本自動車工業会の「輪番操業(土・日の営業)」実施で、休日が木・金曜日に振替えられた影響もあり、節電が最も求められるピークは“月~水曜日の13時~16時”と予測(中部電力での過去最大需要発生日実績)されています。
◆中部電力から「節電のお願い」
菅首相の“唐突”は今に始まった訳ではなく、約2ヶ月前の「浜岡原子力発電所(中部電力)」の運転停止要請表明(5/6)然りです。過日、中部電力はその要請に応えてすべての「原発」を停止した為、中電は自主的な節電態勢に臨みました。当ブログ記事でご紹介のとおり、「天気予報」ならぬ、電力会社による『でんき予報』※1)※2)がマスメディアで毎日公表されていますが、「浜岡原発」の運転停止の結果、中部電力から管内各戸に『節電のお願い』が配付されましたので、以下にご紹介します。ご自宅の節電対策として、今一度、チェックしてみてください。
◆「節電のポイント(中部電力)」
【ポイント1】エアコン
□ 冷房温度は28度を目安に
・設定温度を2度上げると、約10%の節電効果があります。
(在宅世帯の日中の平均的消費電力に対する割合:資源エネルギー庁推計)
□ 月に1~2回、フィルターの清掃を
・目詰まりすると冷房の効率が下がります。
□ 「すだれ」や「よしず」などで窓からの日差しをやわらげましょう
(註)当該事項のみ、当ブログにて「 」(鍵括弧表示)を付記。
□ 扇風機を併用するとより涼しく感じます
□ 室外機のまわりは風通しをよく
・まわりにモノを置くと冷房の効率が下がります。
【ポイント2】冷蔵庫
□ 冷蔵庫の設定は「強」から「中」へ、扉を開ける回数は少なく
□ 冷蔵室には食品を詰め込みすぎないように
□ 熱いものは冷ましてから冷蔵庫に
【ポイント3】照明
□ こまめに消灯を
□ 長時間使うところは、蛍光ランプやLEDランプがおすすめです
【ポイント4】待機電力
□ テレビなどを切る時は、リモコンの電源ボタンではなく、主電源で
□ 長時間使用しない機器は、プラグを抜きましょう
・毎回プラグを抜く必要のない、「スイッチ付きタップ」もあります。
□ 温水洗浄便座などの家電製品はオートオフ機能の上手な活用を
◆節電開始後4割増の「熱中症」搬送者
『平成23年全国の熱中症による救急搬送状況(速報値):総務省消防庁調査』を見ると、今月の(a)1週間(7/4~10)に熱中症で病院に搬送された人数は全国で「4,520人(うち8名が死亡)」で、前年同期の約5倍に上りました。都道府県別の搬送者数のトップは「愛知県:403人(うち高齢者:160人(第2位)。但し、高齢者の第1位は「埼玉県:170人」)」でした。当該週(a)の搬送者総数(4,520人)は、(b)「直前1週間(6/27~7/3):4,662人」の約97%と僅差ですが、奇(ク)しくも『中部電力でんき予報』が開始された日(6/27)から、(c)前々週(6/20~6/26)の約4割増加(a:141%、b:146%)となっているのです。
◆“節電熱中症”にご用心
前記(a)でトップの「愛知県」は、(b)の1週間でも断トツ「513人」で、当該週(b)の半数以上(51.8%)を占めているのが“高齢者”です。都道府県別で多い順に、第1位:愛知県(291人)、第2位:大阪府(211人)、第3位:埼玉県(156人)、第4位:東京都(155人)という結果(暫定値)でした。高齢者の皆様は、くれぐれも“節電”を意識し過ぎて暑いのを我慢なさらず、屋内でも涼しい環境にして、水分補給も十分されるようご留意ください。尚、前掲『節電のお願い(中部電力)』には、次のメッセージが付記されていたことをお伝えしておきます。“熱中症などに気をつけて無理のない範囲で節電をお願いします。”と。“節電”との闘いは、まだこれから続きます。
【ご参照】
※1)ブログ記事(11/7/1日付)
:「節電要請 本日より『でんき予報(東京電力)』がスタート!」。
※2)ブログ記事(11/6/27日付)
:「本日、“見える化”された『中部電力でんき予報』がスタート」。
【資料】中部電力株式会社公表資料。総務省消防庁公表資料。