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2008.10.21

インターネットと新聞情報の狭間で

◆ブログ人口は約900万人
 総務省の統計データ※1)によると、インターネット利用人口は、10年前の1,694万人(人口普及率13.4%:1998年)から8,529万人(人口普及率66.8%:2005年)と約5倍に増加しました。また、インターネット普及率は、300人以上の企業では、80.0%(1998年)から99.1%(2005年)とわずかな増加率ですが、世帯及び5人以上の事業所の普及率は、各々「11.0%、19.2%」(1998年)から「87.0%、85.7%」と一挙に普及しています。そして、インターネットの普及に伴い、ブログ人口も約868万人(2006年3月:総務省)にまで伸びています。
◆活用できる「新聞合同ポータルサイト」
 インターネットの普及に対抗して、まず、全国紙3紙(日経・読売・朝日)が合同ポータルサイト「新‘S(あらたにす)」(2008年1月末)という新サイトを立ち上げ、次に、共同通信及び47都道府県・53新聞社の内外ニュースを掲載している「47NEWS」という総合サイトが提供されています。前者のニュースサイトは、主要、社会面、社説等のカテゴリーで、当該全国3紙の記事を同画面上で比較できるのはとても便利です。カテゴリーのひとつである「新聞案内人」では、現在19人の専門コラムニストによるタイムリーな話題のコメントは、大変興味深い内容です。また、後者のニュースサイトは、主要、社会面、地方紙、ランキング等のカテゴリーで、全国の情報を一挙に提供していますので、地方の情報も手に取るようにわかるのは便利です。
◆新聞コンテンツの役目
 こうした新聞社の動きを、ジャーナリストの佐々木俊尚氏は、著書「ブログ論壇の誕生(文芸新書)」の中で、「メディアにおけるインターネット企業への反撃」と記し、「一次情報」+「論考・分析」=「記事(コンテンツ)」における新聞社とブロガー各々の機能度合い等を説いています。確かに、個人ブログでは自由闊達な意見公開が可能ですが、当「人事総務部ブログ」のようなビジネスブログでは、極端な冒険はできないものとして執筆しているのが現実です。実際、前掲「新‘S(あらたにす)」のコラムニストである著名作家(元日経新聞論説主幹)は、記事(8/13日付)の中で、「このコラムを執筆する記者たちは、ベテランであるだけではなく、その新聞社で文章が上手とされる人たちです。ここは、記者たちが文章力を競う大舞台と言ってもいいでしょう。(原文のまま)」と述べられています。つまり、「のんびりしたエッセイではなく、新聞社のコラムなのですから、ニュース性でも勝負しなければならないと考えるからです。」と。
◆より充実したブログ記事を
 ネット情報、新聞記事、いずれもニュースソースが多いのは情報収集の一助になりますが、執筆者には情報の選別が求められます。前掲著書で、新聞社は一次情報の収集が専門だが、他方、個人ブログは大胆に持論を展開している傾向があるという趣旨を述べられています。ブログ人口が拡大する中、当ビジネスブログは、実際の新聞記事やサイトからの一次情報収集をベースに、文献等を参考に幅広い視点に立った「論考・分析」を加え、より充実したビジネスブログ記事のご提供を目指していきたいと考えておりますので、今後ともご愛読賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
参考:※1)総務省情報通信統計データ公表資料。「ブログ論壇の誕生(佐々木俊尚著)」(株)文芸春秋。