2008.12.25
非正規労働者の「明日へつながる道」
◆厚労省は改めて「今後の見通し」を
米国サブプライムローンに端を発した世界金融危機で、わが国も世界同時不況という「津波」に直撃され、自動車全メーカー及び電機メーカー各社はじめ、減産態勢突入による非正規労働者の削減が続いており、例えるならば、年央に発生(6/14)した「岩手・宮城内陸地震」※1)の「山体崩壊」を彷彿させる現象に匹敵すると言えるかもしれません。因みに、当該地震は、地震動の周期が短かったことも要因し、建物崩壊による死者13名は、これまでの大地震と比較して少なく止どまったようです。一方、世界同時不況の「津波」は、メディア報道によると、非正規労働者の削減数は、自動車全メーカー合計で約1万7,000人、主な電子部品各社計で約3,200人等々に上る規模で、この2業界だけでもすでに約2万人が削減されるという「大津波」です。こうした背景の中で、地方自治体や民間企業一部では採用の支援も起きており、当該調査数値と削減実態が大きく乖離しているだけに、厚生労働省には、今後の非正規労働者失業見通し数値を把握し、既公表「3,0067人(全国調査結果)」に代わる削減実態の公表をお願いしたいと思います。
◆住居喪失者への「資金貸付」開始
当ブログ記事(12/4)「非正規労働者の年末年始雇用対策を」で述べたとおり、派遣労働者や期間従業員の「派遣切り」で、日々刻々と増加する非正規労働失業者のホームレス化の現状報道を見るのは、一国民として忍びない気持ちになるのは私だけではないと思います。とくに、製造業が集中する愛知県は、前掲の厚労省調査で、非正規削減数が最も多いとされているので、東京、大阪の両都市を含めて、先週、「キャリアアップハローワーク(非正規労働者就労支援センター)」が設置され、住居喪失者に対する資金貸付が、今週22日からようやく開始されたところです。
◆まずは「住居確保」&「再就職」の行動を
当該貸付(「就職安定資金融資」)は、事業主都合(解雇・雇用期間満了による雇止め)による離職者のうち、当該離職に伴ってそれまで入居していた社員寮からの退去を余儀なくされる等によって住居喪失状態となっている者に対して、住宅入居初期費用等の必要な資金を貸し付ける(最大186万円)もので、「貸付利率は1.5%(信用保証料を含む)」です。担保・保証人は不要ですが、所定の信用保証機関(全国労働金庫)の利用が条件です。返済方法は、元金据え置き6ヶ月で、10年以内に元利均等月賦償還(最終弁済時年齢65歳)と規定されていますが、「貸付6ヶ月後の時点で雇用保険一般被保険者として就職していた場合は、返済額の一部免除」がありますので、貸付希望者は、ハローワークへ出向き、相談を受けて賃貸住宅へ入居して再就職活動を進めてください。無情にも、臨時国会は本日(12/25)会期末ですが、何はともあれ、この年の瀬に臨み、自分自身の「住居確保」と「再就職」を急ぐための行動こそ、「明日へつながる道」と確信します。
※1)マグニチュード7.2(気象庁暫定値)、最大震度6強を観測。
参考:厚生労働省職業安定局公表資料。当ブログ記事(12/15)「続・『252(要救助者:非正規労働者)』救済を急げ!」ご参照。