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2008.07.14

改正最低賃金法が施行されました

◆7月1日に施行
 「最低賃金法の一部を改正する法律(平成19年12月5日法律第129号)」が施行(平成20年7月1日)されました。但し、改正法の施行の際に有効である最低賃金については、次の改定までの間は改正法に基づいて決定された最低賃金とみなされますので、改正法の施行の際に直ちに改定は行なわれません。
◆「地域別最低賃金」違反の罰金額は、上限50万円
 改正法では、「地域別最低賃金」は、全国各地域について必ず決定されるべきものとして都道府県労働局長に義務付けられました。最低賃金の決定にあたっては、地域における労働者の生計費・賃金や、通常の事業の賃金支払い能力を考慮し、また、生活保護に係る施策との整合性に配慮して定めることとなり、都道府県内のすべての使用者及び雇用形態の別なく労働者に適用されます。最低賃金の対象となる賃金は、時間外・深夜・休日割増賃金、精皆勤手当、通勤・家族手当、賞与、結婚手当等が除外されます。最低賃金以上に該当しているか否かは、賃金額を時間当たりの金額に換算し、最低賃金(時間額)と比較します。地域別最低賃金以上の賃金が支払われない場合、罰金額上限は50万円に改められました。但し、「産業別最低賃金」が決定されている産業には、産業別最低賃金が適用されます。
◆周知義務等違反の罰金額は、上限30万円
 「産業別最低賃金」は、改正法において、関係労使の申出を受けた行政機関が最低賃金審議会の意見を聴いて決定できるものになり、地域別最低賃金において定める最低賃金額を上回らなければならないこととされました。原則、都道府県ごとに定められており※1)、都道府県内の一部の産業の一部の使用者及び労働者※2)に適用されます。産業別最低賃金の適用を受ける労働者に対して、地域別最低賃金において定める最低賃金額未満の額を支払った場合は、最大50万円の罰金が科せられることになりました。但し、産業別最低賃金の不払いについては、賃金の全額払違反(労働基準法第24条違反)に該当し、罰則(罰金額上限30万円)が適用されます。また、周知義務※3)等の違反についても、罰金額上限は30万円に改められました。
◆派遣労働者には「地域別(産業別)最低賃金」を適用
 派遣労働者については、派遣先の事業場に適用されている「地域別(産業別)最低賃金」が適用されることになりましたので、派遣元事業主においては、派遣先事業場に適用される最低賃金を把握しておかなければなりません。尚、最低賃金額の表示単位は時間額のみの表示に変更され、また、最低賃金の適用除外規定が廃止されて「減額特例規定」となりました。施行日時点で、既に適用除外の許可を都道府県労働局長から受けている労働者については、新たに減額特例の許可を受ける必要がある為、使用者は所定期間(平成20年7月1日~平成21年6月30日)に、減額特例の許可申請をしなければならないので留意してください。
◆不当な解雇等は罰則適用
 労働者は、事業場に最低賃金法又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、申告して是正のため適当な措置を求めることができることとし、使用者は当該申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととされます。違反した場合は、罰則(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)が適用されます。
※1)全国非金属鉱業最低賃金は、全国単位で決められています。
※2)18歳未満又は65歳以上の方、雇入れ後一定期間未満で技能習得中の方、その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する方などには適用されません。地域別最低賃金が適用されます。
※3)地域別最低賃金及び船員に適用される最低賃金に係るものに限る。
参考:厚生労働省労働基準局公表資料。