2016.12.27
2016年『同一労働同一賃金ガイドライン案(12/20日付)』における“問題となる例”とは?働き方改革実現会議
◆“問題となる例”とは?
(1)有期雇用労働者及びパートタイム労働者の【基本給】について、労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合
・基本給について労働者の職業経験・能力に応じて支給しているE社において、無期雇用フルタイム労働者であるXが有期雇用労働者であるYに比べて多くの職業経験を有することを理由として、Xに対して、Yよりも多額の支給をしているが、Xのこれまでの職業経験はXの現在の業務に関連性を持たない。
(2)有期雇用労働者及びパートタイム労働者の【基本給】について、労働者の業績・成果に応じて支給しようとする場合
・基本給の一部について労働者の業績・成果に応じて支給しているC社において、無期雇用フルタイム労働者が販売目標を達成した場合に行っている支給を、パートタイム労働者であるXが無期雇用フルタイム労働者の販売目標に届かない場合には行っていない。
(3)有期雇用労働者及びパートタイム労働者の【基本給】について、労働者の勤続年数に応じて支給しようとする場合
・基本給について労働者の勤続年数に応じて支給しているB社において、有期雇用労働者であるXに対し、勤続年数について当初の雇用契約開始時から通算せず、その時点の雇用契約の期間のみの評価により支給している。
(4) 有期雇用労働者及びパートタイム労働者の【手当(賞与)】について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合
・賞与について、会社の業績等への貢献に応じた支給をしているC社において、無期雇用フルタイム労働者であるXと同一の会社業績への貢献がある有期雇用労働者であるYに対して、Xと同一の支給をしていない。
・賞与について、D社においては、無期雇用フルタイム労働者には職務内容や貢献等にかかわらず全員に支給しているが、有期雇用労働者又はパートタイム労働者には支給していない。
(5)有期雇用労働者及びパートタイム労働者の【手当(役職手当)】について、役職の内容、責任の範囲・程度に対して支給しようとする場合
・役職手当について役職の内容、責任の範囲・程度に対して支給しているC社において、無期雇用フルタイム労働者であるXと同一の役職名(例:店長)で役職の内容・責任も同一である役職に就く有期雇用労働者であるYに、Xに比べて低額の役職手当を支給している。
(6)有期雇用労働者及びパートタイム労働者の【手当(深夜・休日労働手当)】について
・B社においては、無期雇用フルタイム労働者であるXと同じ時間、深夜・休日労働を行ったパートタイム労働者であるYに、勤務時間が短いことから、深夜・休日労働手当の単価もフルタイム労働者より低くしている。
(7)勤務時間内に食事時間が挟まれている労働者に対する食費の負担補助として支給する【手当(食事手当)】について
・B社においては、無期雇用フルタイム労働者であるXには、高額の食事手当を支給し、有期雇用労働者であるYには低額の食事手当を支給している。
(8)特定の地域で働く労働者に対する補償として支給する【手当(地域手当)】
・B社においては、無期雇用フルタイム労働者であるXと有期雇用労働者であるYはいずれも全国一律の基本給体系であり、かつ、いずれも転勤があるにもかかわらず、Yには地域手当を支給していない。
【留意事項】ここでいう「無期雇用フルタイム労働者」とは、いわゆる「正社員」を含む無期雇用フルタイム労働者全体を念頭においている。
【ご参照】
●ブログ記事(2016/12/21日付)
:『働き方改革実現会議が「同一労働同一賃金」のガイドラインを公表(2016年12月20日)「派遣労働者(派遣社員)も同一労働同一賃金の対象に」』
URL http://www.jsbb.jp/rk/37439/