2009.03.02
「派遣切り」・「09年問題」・「雇用対策」は何処へ
◆急務は「現在の雇用」
政治(与野党共)もマスコミもジャーナリストも、皆大変だと言葉だけの心配に留まっているように思われます。と言うのは、「労働者派遣法改正案」は見直し審議待ちの足踏み状態で進展しておらず、その先が見えないため、「派遣切り」に歯止めがかかりません。「派遣切り」を加速させている要因は、政府及び厚生労働省の不十分な対応にあるということを理解しているのか疑いたくなります。いったい「雇用対策」はどこへ行ってしまったのでしょうか?とくに製造派遣の「抵触日(3月1日)」が過ぎてしまった現在のわが国において、最重要視されるべき課題はまさに「雇用対策」です。「雇用対策」ができれば、わが国の景気の底支えは可能です。雇用が底支えできれば、将来に対する不安も緩和されます。何といっても一番は「現在の雇用」です。数年先の雇用対策では意味がありません。
◆救済手立ては「雇用創出プラン(福祉雇用)」!
厚労省は非正規労働者削減人数についての調査結果(第4回:2/18時点)で、その削減人数を「15万7,806人」と発表(2/27)したところですが、弊社はこの「非正規労働失業者の実態」について、当ブログ記事(1/28・2/5日付)でご紹介のとおり、この年度末にかけて約70万~100万人に上るものと予測しており、まさに未曾有の削減人数となります。従って、非正規労働失業者には“今日の給与、今日の生活”が必要なのです。1年後では話になりません。現在の非正規労働失業者に対しセーフティネットも完備されていないのに、果たして数年先まで待てと言えるでしょうか。いま可能な対策は、「雇用創出プラン(福祉雇用)」※しか無いのです。この「雇用創出プラン」について政府が率先して指針を定め、全国自治体に推進していく以外、非正規労働失業者を救済する方法はあり得ないと考えます。
※当ブログ記事(1/8日付):◆「『09年問題』の緊急避難措置が無いなら『雇用対策』を急げ」及び同ブログ記事(2/12日付):◆「雇用創出プラン(福祉雇用)の提言」ご参照。